2016年4月に発生した熊本地震で大きな被害を受けた熊本県阿蘇郡西原村では、現在、約800人もの人が仮設住宅での生活を送っている。仮設住宅の住民に参加を呼びかけ、集会所で月に1度、スポーツ健康科学部の学生団体「KS1」のメンバーが運動教室を開いている。その代表を務めるのが「KS1」を立ち上げた嶋さんだ。

学びを生かした復興支援を

熊本地震後、友人がボランティアとして被災地で活動するなか、「自分も被災地で何か支援をしたい」という強い思いがあった。学部での学びを生かし、運動を通して復興支援ができないかと考え、仮設住宅での生活を送る人々のコミュニティ構築を目指した運動教室を行うことにした。

初めて被災地を訪れて

10月、嶋さんらは熊本を訪れた。初めて目にする被災地は、震災から半年がたつものの手付かずのままの場所もあり、想像以上の被害だった。仮設住宅は子供が遊ぶ場所が少なく、外に出ている人も少なかったため、寂しく感じたという。住民の方の「高齢者が多く、外に出ない方も多い。外出する機会があまりない」という話も聞き、運動教室は1、2回の予定だったが、仮設住宅の人とのつながりを構築するには、長期間での継続した開催が必要なのではないかと考えた。メンバーは何時間も話し合いを行い、11月から1年間、月に1度継続して行うことを決めた。

広がりつつある人のつながり

始めたころは認知度が低く参加者も集まらなかったため、直接家を訪問したり、教室開催後に翌月の開催のチラシをポストにいれたりして周知をはかった。回を重ねるごとに、KS1の取り組みは徐々に認知され、訪問の際には「運動教室の学生ね!」といわれるようになったという。今では時間になると予定よりも多い十数名が集まり、集会所が手狭に感じるほどになったという。運動教室では、名前を覚えてもらうためのゲームやストレッチ、頭を使う体操やゴムバンドを使った運動を行う。そしてくまもんのダンスや滋賀県のじだらく体操を取り入れ、子供から高齢者まで幅広い年齢層に楽しみながら運動をしてもらうようにしている。教室は、にぎやかな雰囲気で、休憩時間には、自然と話が盛り上がり、参加者同士が「また話そうね」と帰っていく姿が見られるようになった。


運動教室で、笑顔があふれる姿や会話をしながら楽しんでいる様子を見て、少しずつ人のつながりができているのではないかと感じ、嬉しいと話す。嶋さんは、「1年後には、自分たちが行かなくても地域の人々が主体となり、体操や運動をしながら人と人を繋ぐ機会をつくってほしい」と語った。さらに住民同士のつながりを強めていくために、今後は開催回数も増やしていく予定だ。

PROFILE

嶋 晴菜さん

立命館宇治高等学校(京都府)卒業。 小学生の頃からテニスを始め、現在は学外のテニススクールで、コーチのアルバイトや練習を行っている。将来、「自分のテニススクールを持つ」という夢のため、今後はスポーツビジネスを学ぶ予定。スポーツ健康科学部の学生団体「FB+1」にも所属し、運動プログラムの作成や運動指導などを行っている。

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