2017年2月、障害学生支援室の学生サポートスタッフ(以下:スタッフ)が中心となり、京都府立聾学校の生徒に「大学を知ってもらい、大学進学も視野に入れてほしい」という願いを込め、衣笠キャンパス(以下:衣笠)で“ミニ・オープンキャンパス”を開催した。

本企画のリーダーを務めたのはスタッフ歴2年の森さん。「現在衣笠でサポートしている障害学生は2017年度には4回生になり、サポート業務に余裕が出ます。サポートの対象をもう少し広げられないかと考えました」2016年12月から3回のミーティングを重ね、企画内容がオープンキャンパスと類似していたので、“ミニ・オープンキャンパス”と名づけた。

当日は中学部・高等部から男子3人、女子5人の生徒が参加。図書館ツアーやゲームでは生徒の楽しそうな様子がうかがえ、交流会では多くの質問が飛び交った。映像学部の望月茂徳准教授による模擬授業では、音を色に変換する装置を使ったワークショップを実施。パソコンテイク※などのサポートはもちろん、大学生活を体験してもらうことができたという。 ※講義やディスカッションでのやり取りなど、音声情報をパソコン上に打ち出すサポート。

「生徒たちの屈託のない笑顔を見ることができて嬉しかった」と森さんは安堵の表情を見せつつ、「今回は夕方からの開催だったので、次は生徒たちが1日参加できるように実施し、もっと楽しんでもらいたい」と次回への決意をにじませた。リーダーとしての感想を聞くと、「準備期間が3カ月と短く、スタッフにはただただ感謝しています。私自身はスタッフをサポートする余裕がなかったことが反省点ですね」と振り返った。

新しい出会いを大切に。サポートを通じて自身も大きく成長

ボランティア活動をしたいと考えていた大学入学当初、障害学生支援室のスタッフ募集説明会に参加。「学内でできる、今までやったことのない支援」というところに魅力を感じた森さん。

各キャンパス合わせて約50人のスタッフが所属している障害学生支援室。サポート内容は障害学生によって異なるが、現在衣笠では、聴覚障害学生が受講する授業においてスタッフ2人1組でパソコンテイクによるサポートを実施している。スタッフ同士の連携やタイピングスピード、先生の言葉を正確に伝えることが求められるサポートだが、ときに教室内で笑いが起これば、「(教室内の生徒)笑い」という風に、授業中の楽しい雰囲気も伝えているという。

パソコンテイクを始めたころはタイピングに時間を要し、自信が持てなかった森さん。その後、テレビから聞こえる言葉をタイピングするなどの練習を重ね、当初と比べると上達したという。車いす移動のサポートの時は振動が少ないルートを考えたりと、サポートして初めて気づくことも多く、専門外の授業のサポートに入ることで「知識の幅が広がり、自分のレポートにも役立つこともあった」と語ってくれた。

新しい出会いを通じて新たな気づきや知識を得られ、自身も大きく成長した森さん。今後は、サポート業務はもちろん、後輩の育成にも力を入れていくという。3年目を迎える森さんやスタッフのさらなる成長が楽しみだ。

PROFILE

森 菫さん

鈴鹿高等学校(三重県)卒業。中学時、演劇部で表現する楽しさを知る。高校では放送部に所属、演技はもちろん制作する過程に興味を持ち、映像学部に進学。入学後は、コンテンツビジネスに興味を持ち、今後は、細井浩一教授のゼミで知識を深める予定。趣味は読書、家での食事は自炊がポリシー。

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