大阪いばらきキャンパスにある、起業を目指す学生を支援する共有空間「Idea-Lab」。そこに集まる団体の一つ「Team Ritsu」は、お互いの情報、アイデアを共有し、ビジネスプランコンテストへの出場を目指している。そこで出会ったのが菅間さんと川瀬さんだ。

川瀬さんが高校生のときに生物の先生から聞いた、「チュニジアではアイスプラントが雑草として捨てられる」という話をTeam Ritsuのメンバーに発表。「当時から印象的な内容で、漠然と『ビジネスで成り立つのでは」と思っていた」という川瀬さん。その話を聞き「面白い!」と思ったメンバーの一人、菅間さんとチームを組みアイデアをブラッシュアップしていくことにした。

※南アフリカ原産の植物。栄養豊富で塩を含みサラダなどで食されている注目の野菜

アイスプラントの塩気に注目した二人は、現地で粉末加工して輸入販売する事業を提案することにした。しかし、インターネットや図書館で調べてもチュニジアの情報が少なく、現地にアイスプラントが実際に生えているかも載っていなかったという。先生から提供してもらった写真から、畑全体の面積を割り出し、仮説をたて、現実味ある内容にするのが一番苦労したと口を揃えて振り返る。

初挑戦での決勝そして惨敗。雪辱を晴らすと誓う二人

まず、2016年12月に開催された「第13回立命館大学学生ベンチャーコンテスト」に応募、約50チーム中8チームが進出できる決勝戦に残った。上位入賞を目指したが、結果は惨敗。プレゼン力や構成が他のチームと比べて劣っていたのが敗戦の原因だと痛感した。ただ決勝進出という結果から、「自分たちのプラン自体は面白い、あとはどう伝えるかが大事」と切り替えた。

先生や友人から意見をもらい構成を見直し、次に挑戦したのは「University Venture Grand Prix 2016」。全国規模の開催で、Team Ritsuとしても出場を目標にしていた大会の一つだ。応募総数50チーム中、決勝進出できるのは10チーム。彼らがその10チームに選ばれたと知ったのは、本番10日前だったという。「結果連絡に気づかなくて…、喜びに浸っている時間はないと焦りました(笑)」。昼夜問わず話し合いが続き、締め切り間際まで構成を練り直した。また、本番まではプレゼン力を高めるために、会場に着くまで練習を重ねたという。

斬新な発想で、新しい風を吹かせたい

当日は実際のアイスプラントと粉末にしたものを用意したが直前に、会場が飲食禁止と知る。「冒頭で『試食用に持ってきたのですが、会場が飲食禁止でした!』と告げると会場が和やかな雰囲気になり、逆に少し楽になりました」とアクシデントも味方につけた二人は、約7分間のプレゼンで思いを伝え、見事、「TOMODACHIソーシャルアントレプレナーシップ賞」を獲得。「他のチームが残りの賞を総なめにしたので、実質2位タイですかね」と話す表情からは達成感が満ち溢れていた。

副賞である3日間のシリコンバレー研修に参加し気づかされたことは、課題がまだまだ山積みということだった。今後はそのフィードバックで得た課題を解決していくことに意欲を燃やしたいという。Team Ritsu 2017年度代表になった菅間さんと、ソーシャル部分に特化した新しい団体「BSAS」を立ち上げた川瀬さん。お互い切磋琢磨し、今までと違う視点から課題に立ち向かってくれるだろう。

PROFILE

菅間伶史さん

山形県立長井高等学校(山形県)卒業。経営学、特にマーケティングに興味を持ち経営学部へ進学。現在は小菅竜介准教授のゼミで、顧客経験について学ぶ。小学・高校はサッカー部、中学で野球部に所属し、現在もサッカーサークル「TEN‐AGE」でプレーしている。祖父の影響ではじめた趣味の将棋は、最近は指すことができず、「駒」を眺めてリフレッシュしている。

川瀬慶さん

大阪府立茨木高等学校(大阪府)卒業。現在は完治しているが、大学入学までは「起立性調節障害(OD)」という病に悩まされていた。茨木に恩返ししたいと考え、ボランティアをサポートする学生コーディネーターも務めている。

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