学生のつながりを広げるために

映像学部のゲーム制作団体「OGC(Original Game Creation)」の代表を務めるのは、「立命館大学の映像学部をゲームで有名にしたいんです」と熱い思いをもつ末浪さん。2016年4月に代表となったとき、活動を活発化させ、メンバーのモチベーションを高めるためにも技術向上や学ぶ環境をつくっていかなくてはいけないと考えていた。他の団体の活動について知りたいと思ったことをきっかけに、2016年5月、学生のつながりをつくり、ゲーム制作活動を活発化させる、関西学生ゲームコンソーシアム「connect」を立ち上げた。OGCのメンバーや他大学の学生ら8人とともに、「みんなでつくる、つながるイベント」をモットーに活動している。

学生ゲーム展示会の開催

「connect」は、今年の5月21日、日本最大級のインディゲームの祭典「BitSummit」と連携し、「BitSummit」会場近くのロームシアター会議室にて、学生のゲーム展示会「Connect Fest~BitSummitに憧れて2017~」を開催した。イベントを企画したのは、開催1カ月前。提案した末浪さんは1回生のときに「BitSummit」に出展したが、周囲とのレベルの差を感じ、自分の作品がとても恥ずかしく、悲しくなったという。それでも、子供たちが末浪さんのゲームを100回もプレイし楽しんでくれたことが、「これからもゲームをつくっていこう」とゲームへの熱意を高めてくれたと話す。学生のゲーム制作への意欲を高めるきっかけにするには、「BitSummit」は応募数も多く、学生の出展が難しくなっていることなどから、「学生版の展示会をつくろう」と今回の企画につながった。3週間前に「BitSummit」の運営側から開催許可を受け、会場をおさえるなど準備にとても苦労したが、当日は、5団体13作品を出展し、135人もの来場者がゲームを楽しんでくれたという。作品を楽しみ、評価してもらえたことで、学生にとっては貴重な機会となり、すでに来年度の開催も視野にいれているという。

他団体との交流が、ゲーム制作意欲を高めてくれた

connectは、スカイプで4つの開催地をつないだゲーム制作イベントや交流会、企業と連携したイベントなどを、月に1.2回開催している。5月に開催した、「Connect Hack Online2」では、4つの会場に9団体、50人が参加した。少しずつ、イベントに参加してくれる団体や学生が増えてきたという。自分の技術力で参加していいのか、と自信が持てず、企業が開催するイベントには参加しなかった学生たちが、connectのイベントに参加するうちに、自信をもち、積極的にイベントや展示会に参加するようになった。OGCの代表に就任した際は、OGCのメンバーのモチベーションを高めるのにとても苦労したが、connectの活動などで増えた他団体との交流に刺激を受け、ゲーム制作にさらに熱が入ったその姿に感動するほどだという。「connect、OGCの代表としての活動や自身のゲーム制作の両立はとても大変だが、現在は関西で広がりつつあるconnectのつながりをさらに全国へ広げていきたい」とさらなる意気込みを語った。

PROFILE

末浪勝己さん

大阪府立住吉高等学校(大阪府)卒業。小学生の頃から高校までは野球に打ち込む。映像学部ではゲームゼミと呼ばれる09ゼミに所属。日々ゲーム制作に励み、時には音楽を聞いたり散歩をしてゲームのアイデアを浮かべる。今後は、ライトユーザーの女性向けに、楽しくコミュニケーションのツールとなるゲームを制作予定。

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