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卒業生メッセージ(2014年派遣:ガジャマダ大学)

2016年3月に経営学部国際経営学科を卒業した玉田麻貴子です。私は入学前から在学中の留学を決めていましたが、当時は漠然と欧米圏の先進国を留学先にと考えていました。しかし大学入学後、経営や経済の授業を受ける中で東南アジアは、経済成長が著しく人口が増加する一方の巨大なマーケットのため、日本企業にとって重要な戦略拠点であることを学びました。これからのビジネスの軸になる東南アジアに精通した人材になりたいと思うようになり、私は交換留学で1年間マレーシアのマレーシア科学大学へ、そして国際PBLプログラムにて、インドネシアのジョグジャカルタにあるガジャマダ大学へ約5ヵ月間留学をしました。

留学中の学習内容
ガジャマダ大学では、主に東南アジア経済やインドネシア企業について等、日本では受けることのできない授業を中心に受講しました。私が取った授業は全て少人数制で、ディスカッションやプレゼンテーションがあり、よくクラスメイトと大学近くのカフェに集まり授業の準備をしていました。授業の題に対して考え、準備する時間に費やす時間は授業時間の何倍にもなるので、ひとつひとつの授業に対する姿勢が違っていたことを覚えています。また、クラスでは日本人は私一人だけの授業もあり、日本の制度はこの場合どうなの?日本の企業はどうしているの?というような踏み込んだ質問を受けることも多々ありました。

一番印象に残ったこと、その国の良い所など
インドネシア人は親日家が多く、周りの人に対してとても親切です。留学したばかりの頃、私は大学での手続きが長引き、下宿先に帰るのが遅くなった事がありました。すると、「まだ帰って来ない。来たばかりなので迷って困っていないか。危ない所に行っていないか。」と心配して下宿先の管理人さんをはじめ下宿の皆が総出で遠くまで捜索して下さったと聞き、まだ仲良くもない、よく知らない私の為に動いて下さった事に感謝しきれませんでした。インドネシアに来て間もない頃の不安で一杯だった気持ちは、その優しさに触れ、心強さに変わりました。また、留学中、様々な困難な壁を乗り越えられたのは、友人たちの親切なサポートのおかげだと思っています。

留学に行って気づいたこと、日本との違い
日本との違いで一番大きいと感じた事は、宗教に対する捉え方です。日本人の感覚では、宗教は個人情報でタブーの話題に思われがちです。しかし東南アジアでは宗教の捉え方は全く異なっており、宗教は「生活習慣そのもの」であり、「文化」でもあり、時には「法」に代わるものでした。インドネシアの人々は必ず何かの宗教を信仰しており、日本では考えられませんが、身分証明書にも宗教を記載する欄がありました。「何の宗教を信仰しているの?」と初対面の友達にも当然のように聞かれます。インドネシアでは「無宗教」と答えると、人として軽視され信用されない雰囲気があるとのこと。どんな宗教でも宗教自体を否定することはなく、祈る心を持っている人は信用できるという位置付けのようです。この国の文化の中では、そういった精神面での信用度も大切だと実感しました。

卒業後の進路について
現在は産業機械メーカーに就職しています。海外シェア拡大を会社の指針としていることもあり、私の将来の目標は、インフラ整備の進む東南アジアで当社の製品を定着させる一員になりたいと思っています。

留学中に身についた力
日本との文化や習慣の違いは大きく、その違いを体験することで、自分が常識としてきたことも見つめ直す機会となりました。そして、異なる角度からも物事を見てみるという考え方をするようになりました。何よりどんな環境でも生きていけると思った経験は自分の自信となっています。

後輩へのメッセージ
留学は自分への挑戦だと思います。生活環境が異なる世界に飛び込むのにはとても勇気が要りますが、自分を見つめ直し、可能性を広げる大きな機会となります。留学では、言葉や文化の壁にぶつかったり、時には辛い思いをしたりすることもありますが、そのような状況に自分なりにチャレンジしていくことが大切だと思います。留学を通して得たいものは何か、どんな自分になりたいのか目標を掲げ、自分の軸を持って、是非留学してください。