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中川大樹(なかがわ・だいき)
産業社会学部2回生 
重量挙部所属。
男子53kg級スナッチ高校新記録保持者。
長濱 弘
3月10日、さいたま市記念総合体育館において、第27回全日本ジュニアウエイトリフティング選手権大会が開催された。
この大会で、中川大樹さん(産業社会学部2回生)が男子56kg級においてスナッチ100kg・クリーン&ジャーク120kg・
トータル220kgでジュニア日本一に輝き、6月10日にチェコで行われる世界ジュニア選手権への出場権を獲得した。
全日本ジュニア選手権大会男子56kg級は、各大会での記録がトータル200kg以上という基準をクリアした選手の中から、
記録順に選考された10名程度しか出場する事ができないジュニアのトップ選手が集まる大会。
また世界ジュニア選手権への出場権も、全18階級の優勝者の中から、記録だけでなく
将来性も考慮に入れ選考された5名しか得られない狭き門である。
今回は、ジュニア大会に出場できる最後の年に優勝に輝き、初めて世界大会への出場を決めた中川さんにお話を伺った。
Q

全日本ジュニアウエイトリフティング選手権大会優勝,、世界ジュニア選手権出場決定おめでとうございます。ジュニア大会に出場出来るのは20歳以下ということで、今回が中川さんにとって最後の世界ジュニア選手権大会への選考会だったわけですが、優勝が決まった時はどのような気持ちでしたか?

中川

ありがとうございます。実は、去年の夏頃から不調が続いていて、今回の大会では「とにかく3位以内」を目標にしていたので、優勝できた事には本当に驚きました。そもそもの不調の原因は、昨年10月に開催された国体に53kg級で出場するため、去年の8月頃から4kgの減量を始めたことでした。減量中はほぼ断食状態で、水分を抜かないと体重も減らないので水もあまり飲めませんでした。また空腹で夜も眠れなくなるので、体を疲れさせて寝れるように、練習もたくさん行いました。その結果、減量する事には成功しましたが、体力的にも精神的にも不調な状態に陥ってしまいました。そのため国体での結果も思わしいものではなく、気持ちの上でも落ち込んだ状態がずっと続いていました。

そのような中、2月ごろにノロウイルスにかかったことで練習をしばらく休むことがありました。ですが、それをきっかけに少しずつ調子が上がり始めました。おそらくゆっくり休めたのが身体にとっても良かったのだと思います。そこから、気持ちを切り替え、集中して自分を追い込んで練習する事ができたため、ジュニア世界選手権へ最後の挑戦という大会で優勝できたのだと思います。練習や試合当日には高校の先生も応援に来てくださり、国体で期待に応えられなかった分のリベンジでもあったので、優勝できて本当に良かったです。

ウエイトリフティングは他のスポーツとは違い、他人と競い合うというよりも自分の記録との戦いなので、あまり周りを気にするという事はありませんが、何名かライバルがいました。その中でも特に私が持っていたトータルの高校記録を破った玉城選手の存在は良い刺激となりました。

ウエイトリフティングには、「スナッチ」という、地面に置いたバーベルを一気に頭上へ引き上げ立ち上がる動きと、「クリーン&ジャーク」という、地面に置いたバーベルを第一動作で肩まで引き上げて立ち上がり、第二動作で頭上へ差し上げるという動きがあります。得意・不得意は選手によって様々ですが、どちらもタイミングが、成功させるポイントになります。

これまでも練習ではスナッチ102kgが自己ベストだったのですが、試合になると100kgを出せた事はなく、今回も成功できる自信はありませんでした。しかし、このときは膝の痛みも感じずに集中して臨む事ができ、スナッチ100kg・クリーン&ジャーク120kg・トータル220kgという記録で、これまでの試合での自己ベストを達成する事が出来ました。

Q

6月10日に開催される世界ジュニア選手権での目標、及び今後の目標を教えてください。

中川

世界ジュニア選手権での目標は、昨年の世界ジュニア選手権で56kg級に出場した日川高校の先輩である中山洋介選手の記録、トータル228kgを超えることです。現在、調子が上がってきていて、自己ベストがスナッチ107.5kg、ジャーク123kgなので、本番ではトータル230kgを目指して頑張りたいと思います。ウエイトリフティングは他のスポーツと比べて、数字で記録が表れるので、自分の成長がはっきりと目に見えることが魅力だと言えます。大会では、外国の選手をあまり意識せず、自分の記録を大切にして気負いしすぎないように試合へ臨みたいと思います。

今後の目標としては、スナッチでの大学新記録の樹立です。今の自己ベストだと、あと3kgで達成する事が出来ます。公式記録は、スナッチ、ジャーク&クリーン、トータルの3部門に分かれていて、記録として認められるためには大会で記録を出さなければなりません。そのため、大会で記録を出せるだけの強い精神力をつける事が、今後の最大の課題だと言えますね。大学在学中にぜひ新記録を樹立できるよう、これからも心身共に鍛えていきたいと思います。

取材・文森津瑛理子(政策科学部2回生)
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