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高津昌昭(たかつ・まさあき)
法学部2回生
囲碁研究部
高津昌昭
8月10日、神奈川県箱根町ホテルおかだにて毎日・佐川急便杯争奪第51回全日本学生本因坊決定戦が行われ、
囲碁研究部の高津昌昭さん(法学部2回生)が優勝を果たし、初の学生本因坊の座についた。
この大会は、学生十傑・学生王座とともに三大学生棋戦の一つとして数えられ、学生囲碁界のトップが集う大会である。
今回は、学生囲碁界の頂点に立ち、最終的にはプロを目指すという目標を持つ高津さんにお話を伺った。
Q

学生本因坊の獲得、おめでとうございます。この大会を振り返っていかがでしたか?また勝因を教えてください。

高津

大学に入学してから初めての全国大会での優勝だったので、とてもうれしいです。この全日本学生本因坊決定戦は、各地区予選を勝ち抜いた32名でタイトルが争われます。実は昨年もこの大会に参加したのですが、1回戦で強豪選手である村上深選手(中央大学)にあたり、負けてしまいました。今年は序盤こそ気負いや緊張がありましたが、自分のペースで碁を打てたことが勝因ではないかと思います。

今大会の準々決勝では、昨年の1回戦で敗れた村上選手と再び対局を行いました。私の碁のスタイルは、その時々の決断でどんどん打っていく「早打ち派」です。相手はじっくり考える「長考派」だったのですが、こちらがテンポよく指し続けたことでミスを誘い、勝利に結びつけることができました。決勝戦の相手は、私が3連覇を成し遂げた高校選手権で、2度も決勝で対局した選手でした。お互い手の内を知っている相手だけにやりにくい部分もありましたが、いままで決勝戦では負けたことが無かったので、強気で攻めることができました。

優勝が決まってからは、ネット中継で対局を見守っていてくれた先輩や友人から多くの電話をもらいました。その時初めて「本当に優勝したんだ」という実感が湧いてきましたね。

Q

昨年敗れた選手にもリベンジを果たし、見事に優勝されたのですね。では、これからの目標や意気込みを教えてください。

高津

大学入学時に立てた、「棋力の向上」と「プロになる」という2つの目標の達成の為に努力していきたいです。現在は、詰め碁の本を読んで研究することで棋力の向上を目指しています。勉強量よりも、密度の濃い練習を行い「早打ち」というスタイルに更に磨きをかけたいです。身近な目標としては、10月末に学生十傑の関西予選があります。まずその予選を勝ち上がり関西代表になって、最終的にはベスト4を目指したいと思います。学生本因坊になったことで追われる立場になりますが、もともと「周囲からのプレッシャーを気にしてもしょうがない」と考えるタイプなので、私自身のペースで力をつけていきたいと思っています。もちろん、全ての三大学生棋戦で優勝することも大きな目標です。

また、最終的な目標である「プロ」になるには22歳までに日本棋院のプロ試験に合格する必要があります。プロ試験は、3カ月程度のスパンの中で20から25局ほどの対戦をこなし、上位1位と2位にしかプロ資格を与えられないという厳しいものです。全国的にみても、年間で合計6名しかプロは誕生しません。小学校5年生の時に初めて全国大会で入賞して以来、「プロになりたい」という夢をずっと追いかけてきました。プロ試験まで残された時間は決して多くはないので、時間を無駄にせず囲碁に打ち込みたいと思います。

取材・文辻 健太郎(経済学部4回生)
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