立命館小学校

国際交流とトランスランゲージング

立命館小学校では、いろいろな海外研修や海外生徒の受け入れを通じて、異文化に触れて視野を広げる体験型の取り組みをたくさん行ってきました。新型コロナのために今は実際に国境を超えて行き来することができませんが、オンラインでの国際交流の取り組みを工夫して行ってきたことで、むしろ可能性が広がった面もあります。

このたび、新しい交流相手ができました。アメリカ・シアトルにある日本語補習校「四つ葉学院」です。これまでの海外交流校とちがうのは、交流相手が日本に何らかのルーツをもつ子どもであり、日本語と英語を併用しながら交流ができる、というところです。

お互いの学校での生活を紹介しあったりして打ち解けた後、各班に分かれてビブリオバトルをしました。
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日本語と英語を織り交ぜながら、進行も自分たちで行いました。お互いに使える言葉を駆使しながら対話を深めることができ、楽しい学びの時間となりました。

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ところで、この「複数言語を織り交ぜて、その場のコミュニケーションの最大化を図る力」を育成すること、とても大切です(専門用語では「トランスランゲージング」と言います)。

グローバルなコミュニケーション力というと、例えば英語を正確に使えるようになること、と思われることも多いですが、必ずしもそれだけではありません。グローバルに求められるコミュニケーション力とは、その場の言語環境(誰がどのくらいどの言語を話せるのか)に気づき、どの言語をどのように使うのがその場の相互理解を最大にできるのかを判断し、お互いに協力して対話を進める、ということだと思います。そのためには異文化理解の力も必要ですし、トランスランゲージングの力も必要、ということになります。

私自身が大学で担当している授業(Cross-Cultural Encounters)では、そのことを授業中のディスカッションの実体験から学んでもらうことを目指してきました(ちょっと昔の記事ですが http://www.ritsumei.ac.jp/news/detail/?id=332)。日本語学習者である留学生と英語学習者である日本人学生がともに学ぶ中で、初めは「もっと英語だけで話さないと、英語力が伸びないのでは?」「日英両語混ぜて話してて、大丈夫ですか?」「日本語につい頼ってしまうけど・・」なんていう声が主に日本人学生から聞こえてきます。が、留学生との対話と振り返りを繰り返す中で視野が広がり、学期の後半では「わかりやすく日本語を使うこともグローバルなコミュニケーションには必要な力だと分かった」「日英両語を混ぜて必死で話す中で、言葉よりも内容に集中して相手と対話ができるようになった」「外国語を話す難しさがわかるから、お互いにできるだけ安心して話せるように工夫することの大切さが分かった」「間違いを恐れずどんどん話せるようになった」にといったコメントが出てきます。

そんな気づきによって、さらに言語学習を進めていこうというモチベーションも高まるようです。この手法、大学生が対象でも有効ですが、言語感覚がより柔軟な小学生にはより効果的であり、これから長く続く外国語習得の道のりをより楽しくて意味あるものにしてくれるのではないかと思います。

校長 堀江未来