生物有機化学研究室の研究紹介

＜研究分野＞

1. 生体系の解明
2. 新しい反応系の開発
3. 新素材の創出

＜研究課題＞

1. 光合成細菌の膜外アンテナ部のモデル合成

　光合成の集光型アンテナ部位については、これまで、色素と蛋白との複合体によって構成されていると信じられていた。しかしながら、我々の研究によって緑色嫌気性光合成細菌の膜外アンテナ部(以下クロロゾームと呼ぶ)においては色素のみが自己集合してアンテナ色素を構成し、蛋白は超分子構造の形成において大きな役割を果たしていないことが明らかになりつつある。そこで、新たに開発された生体系アンテナ色素分子のモデル化合物を用いた人工クロロゾームの構造とエネルギー移動過程の解明を行ない、さらに本モデル系と生体系とを比較することにより、生体系でのクロロゾームの超分子構造並びにエネルギー移動過程を検討する。
　本研究が、現在当研究室のメインの研究テーマであり、国内外からその成果が期待されている。
 

2. 大環状π電子系における新しい有機反応系の開発

　ポルフィリンなどに代表される大環状π電子系化合物においては、ベンゼンなどに代表される芳香族系低分子化合物とは異なる反応性が見れる。これを利用して、多様な新しい有機反応系の開発を目指す。
 

3. 新しいエネルギー・電子移動媒体の創出

　1.で述べたように、色素分子の自己会合体が、優れたエネルギー移動媒体として機能していることは生体系で見い出されている。そこで、モデル化合物の自己会合体を様々な環境下で調製し、そのエネルギー・電子移動媒体としての能力を検討して、生体を越えるような機能の創出を目指す。
 

4. その他

   新しい発想に基づく太陽光電池の開発、金属錯体を用いた生体分子の認識、生体分子の多様性から生命進化の探求、化合物ライブラリー構築を指向した（創薬研究も視野に入れた）コンビナトリアルケミストリー、糖鎖による生体情報伝達に関する研究、ゲノム情報に基づくタンパク質発現とその結晶構造と機能（酵素反応）解析など。

最近の発表論文

最近の学会発表

その他の発表・著作など

特許関連

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