ヘビの運動解析及び環境適応蛇型ロボットの研究開発 [説明用PDFファイル]
- 生物筋肉の収縮特性を定量的に分析し、ヘビが直進蛇行滑走を行う時の移動体
形曲線として「蛇行曲線」及び「拡張蛇行曲線」を示している.ヘビは、外部
の環境や生理的な欲求に従って行動し、様々な運動様式を見せる.その形態こ
そ単純ではあるが、その屈曲形状を能動的に変化させることによって特異な運
動機能を生成し、様々な性能を発揮する.ヘビが定常直線蛇行滑走運動を行う
場合、筋肉のパワー消費を最も小さくする蛇行滑走体形曲線として「蛇行曲線」
と「拡張蛇行曲線」を示した.また、「蛇行曲線」と従来ヘビの体形曲線とし
て示されたクロソイド曲線、サーペノイド曲線について、滑走効率における比
較検討をも行った。
- 環境に適応可能なヘビ型ロボットの機構的提案生物蛇の運動を機械で実現する
2次元,及び3次元ヘビ型ロボットをまず試作した.また機構的な特異姿勢が
なくしかも高い柔軟性を有する3次元ヘビ型ロボットをも実現した.このロボッ
トは,ロール・ピッチ・ヨー3軸が交差する3自由度関節ユニットから構成され
ており,運動的な特異姿勢を回避する運動を容易に実現することができる.
- 多様な環境におけるヘビ型ロボットの運動に関する力学的解析ヘビ型移動ロボッ
トの動力学モデルおよび体軸法線方向への滑りを考慮した計算機シミュレータ
を開発した.本シミュレータを用いて,ヘビ型移動ロボットの蛇行移動時にお
ける環境変化が蛇行形状曲線に与える影響を解明し,環境の変化に伴う運動形
態の移行についても検討した.
- 生物の運動神経モデルに基づくヘビ型ロボットの自律分散制御まず相互抑制型
CPGネットワークを導入し,実システムへの実装をも行った.また,3次元運
動の生成が可能な循環抑制型CPGネットワークを提案した.本CPGネットワーク
は短時間で安定な周期出力が生成でき,しかも蛇型運動の遷移も可能であるこ
とを示した.