歩くウズラ人形


体内クロックによって、適当な時間になると眠くなったり、有機物エネルギー を摂取したりする22世紀の国からやってきたバイオ・コンピュータ内蔵型ロ ボットである。やはり22世紀と言えども完璧な人工頭脳の開発は難しいので あろう。思考は極端に方向性を欠き、20世紀の我々としては話しをしている と頭が痛くなってくる。時々内蔵回路が暴走して意味不明の記号表現を口走る。

私は頭のおかしい人間が大好きである。ところで...

「鉄腕アトム」で天馬博士がアトムに「おまえは本当のトビオではない!トビ オだったらどうして背が伸びないのだ?!」と、天才科学者の割には無茶苦茶な 事を言う場面があるが、彼女を見ていると天馬博士の気持ちがなんとなくわか るような気がする。

あるいは、バックグンモの頭には糸引き納豆が詰 まっているようであるが、彼女は単に頭に麻婆豆腐が詰まっているだけの、普 通の人間なのかも知れない。

でもまさか... 人間だったなんて。。。

彼女は魔法をかけられ人間の姿にされてしまったウズラなのかも知れない。寒 がりの彼女が着ふくれしてヨタヨタ歩いている姿を見るにその感を強くする。 こころ優しき人と結婚し、子供が生まれたと聞いたが、信じられない話である。 彼女は断じて「子供」は生まない。彼女は「卵」を産むのだ!

「◯◯さん、最近家で何してんの?」「うん?卵暖めてるの。」

「子供できたんだってね。」「うん。シッポが無いところがかわいいでしょ。」 「クピピッ。クピピッ。」(子供の鳴き声)