陸上競技部がパラアスリート選手と合同練習を実施

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陸上競技部がパラアスリート選手と合同練習を実施

立命館大学陸上競技部は、ブラインドランナーとして活躍する井内菜津美選手との合同練習を実施しています。井内選手は、特定非営利活動法人日本ブラインドマラソン協会(JBMA)の強化選手であり、2020年に開催された「第69回別府大分毎日マラソン」視覚障害選手の部(女子)では世界記録を樹立するなど、トップパラアスリートとして活躍しています。

井内選手は、数年前から自身の練習のためにびわこ・くさつキャンパス(BKC)のクインススタジアムを利用しており、陸上競技部長距離ブロックの練習にも参加してきました。現在はコロナ禍のため合同で練習することはありませんが、自身の競技レベルを高める貴重な練習時間として週1~2回の頻度でBKCでの練習に励んでいます。度々、部員たちがチームの練習後に井内選手とともに練習に励む姿がみられます。

左から深田進大郎さん、井内菜津美選手、吉田遼子さん
左から深田進大郎さん、井内菜津美選手、吉田遼子さん

男子陸上部競技部長距離ブロックのマネージャーである吉田遼子さん(スポーツ健康科学部4回生)、深田進大郎さん(食マネジメント学部3回生)は、井内選手の練習日には井内選手を迎え、タイム計測や伴走者を担当するなど練習のアシスタントを務めています。

吉田さんは、「井内選手は練習面でも人とのコミュニケーションを大切にされている選手です。ほかの陸上競技場を練習場所にすることも可能ですが、キャンパスではコーチやトレーナーの指導が受けられるうえ、ともに練習に励む部員の存在があります。多くの人がいる環境で練習できることが井内選手のモチベーションにもつながると考え、キャンパスで練習ができるよう大学に申請しています」と話しました。また、「目の不自由な方と接する機会は限られており、普段だとどこかかしこまって接してしまいますが、“走る”という共通点を持つことで、気軽にコミュニケーションをとることができました。始めの頃は『目が見えないとできることが限られているのでは?』と思っていましたが、井内選手とともに時間を過ごすと、それは大きな偏見であったことを実感しました。ほかの部員たちも同じことを感じ、お互いに良い刺激をもらっています」と語りました。

また、深田さんは「伴走すると、井内選手は視覚に頼らないからこそバランス感覚や走る感覚を研ぎ澄まされていることが伝わってきます。ほかの部員たちもぜひ伴走者を体験してみてほしい。井内選手が磨き上げている感覚は、どのような陸上競技選手にも必要だと思います。私たちの日々の練習にも役立てていきたいです」と話しました。

陸上競技部では井内選手だけではなく、知的能力障害のある陸上競技選手の練習も受け入れています。さまざまな選手と接する機会の多い吉田さんは、「パラアスリート選手のトレーニングに関わることは大変貴重な経験です。そんな環境が日常になれば、長距離種目だけではなく、短距離種目やトラック種目の選手たちもきっと学ぶことが多いと思います。今はコロナ禍で練習時間は異なりますが、以前は合宿や筋力トレーニングもともに実施していました。もっと多くの練習が立命館大学のなかで実施できるようになれば、チームにとって良い刺激になります」と今後の抱負を語りました。

ブラインドランナー 井内菜津美選手のコメント

立命館大学での練習は、私に刺激を与えてくれるとても貴重な機会です。
立命館大学以外での練習では、伴走者と二人で行うことが多いのですが、立命館大学の練習は、コーチがアドバイスをくれ、マネージャーにタイムを計っていただき、マネージャーや学生に伴走やペースメイカーも行っていただけて、とてもたくさんのサポートのなかで走ることができています。
たくさんの方が関わってくださると良い走りがしたいと思え、自身の体調管理や食事などにも気を配り、それがトレーニングの結果として表れています。
また、一緒に練習している学生が良い結果を出したと知ると私も嬉しい気持ちになると同時に、「次は私も自己ベスト更新するぞ」と思え、刺激をもらっています。
今後も切磋琢磨しながら一緒にトレーニングを続けていきたいです。

男子陸上競技部長距離ブロック 森田健太郎さん(スポーツ健康科学部4回生)のコメント

井内さんの練習に参加させていただき、自分たちのさまざまな「当たり前」が当たり前ではないということを日々実感しています。同時に、井内さんの練習に対する意欲・競技にかける思いは人一倍で、選手の刺激になっています。また伴走をさせていただいたときは、タイミングや歩幅など今まで感じたことのない難しさを覚えました。今後もともに練習することで刺激をもらいながら、私たちの走りで井内さんの後押しができるようWin-Winの関係を築いていきたいです。

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