超高エネルギーガンマ線天体

最初に確立した超高エネルギー(TeV = 1012eV領域)ガンマ線天体は 「かに星雲」 で、1989年アメリカ・ アリゾナのホイップル天文台にある10m口径を用いたチェレンコフ望遠鏡の 観測によるものでした。その後日豪共同によるCANGAROOグループ、 ドイツなどのHEGRAグループ、フランスなどのCATグループによる 「第二世代」のチェレンコフ望遠鏡による解像型チェレンコフ望遠鏡の 発展の時代を経て、現在はCANGAROO-III、ドイツなどのH.E.S.S.グループ (ナミビア)・MAGICグループ(カナリア諸島)、アメリカなどの VERITASグループ(アメリカ・アリゾナ)が「第三世代」の チェレンコフ望遠鏡として稼働中であり、TeVガンマ線源の数は 70個以上に達するまでになりました。

宇宙線の起源として有力視されてきた超新星残骸をはじめ、パルサー星雲やX線連星、銀河系外の天体では活動銀河核が同定されていますが、正体のわからない未同定天体も多く見付かり、他の波長の観測を通じた解明が待たれています。

(個々の天体について詳しくは 下記カタログを参照下さい。)

1995年と2007年時点に おけるTeVガンマ線天体の天球図。(緑は超新星残骸、紫はパルサー星雲、黄はX線連星、赤は活動銀河核、青は未同定天体)[(c)TeVCat]


X線、ガンマ線、超高エネルギーガンマ線における天体数の増加。発案者の木舟正(東京大学宇宙線研究所名誉教授)に 敬意を表して「Kifune plot」と呼ばれている。[(c)R.Ong/J.Hinton]


TeVガンマ線天体カタログ


Masaki Mori
Last update: March 7, 2008