既に述べたとおり,オリジナルなたたら製鉄は昭和初期に一度廃れてしまいました.戦後,日本鉄鋼協会の尽力により島根県の吉田村(現在の雲南市吉田町)で復元実験が行われ,現在は日本美術刀剣保存協会により,年に3回だけ操業が行われています.
日本各地のいくつかの研究者・団体により小規模のたたら製鉄を復元しようという試みがされていますが,当研究室で行っているたたら製鉄は,東京工業大学名誉教授永田和宏先生が考案された「小型たたら炉」を用いる方法をベースとしており,山末も20年以上この方法でたたら製鉄を行っています.
近年では,鎌倉高校の生徒さんと実習を行い,その成果は日本学生科学県作品展において二年連続の神奈川県知事賞の受賞につながりました.いずれは炭焼き,得られた鉧(鉄の塊)を使ったナイフ作り等も行いたいと考えています.
※ 製鉄に積極的に参加される場合,汚れてもいい格好,タオルがあると便利です.
面白いことに,ここ立命館大学びわこ・草津キャンパスでは木瓜原遺跡というたたら製鉄の遺跡が存在しています.これまで立命館大学ではたたら製鉄の操業はされていなかったようですが,当研究室の操業を通じ,関西地区におけるたたら製鉄の発信地にしていきたいと思っています.