JASRAC寄附講座 コンテンツ産業論1 立命館大学産業社会学部

10月1日

開講オリエンテーション

開講オリエンテーションが行われた。まず、JASRAC文化事業部長の武田勝正氏よりご挨拶があり、JASRACの事業紹介ののち、本寄附講座の開設目的を次のように述べられた。「知的財産権は、文化や産業経済を発展させる基礎となるものであり、また、これから世の中に出られて活躍される学生の皆さんにとって避けては通れない分野です。著作権や特許権、商標権などの知的財産権は、わが国において益々重要なものになっていきます。この講座が知的財産権に詳しい人材を育成する場となるよう期待しています。」

次に講座を担当する立命館大学・産業社会学部崎山治男助教授より、「今、なぜコンテンツ産業か?」について講義が行われた。
 日本は戦後から70年代まで「モノ」の商品化を進め成功した高度経済成長の時代だった。しかし、「モノ」が充分に行き渡るようになり、高度経済成長は崩壊した。対策として、海外で作る事によって「モノ」作りを安くする、ICチップを作るなどして高度な技術で勝負をする、ブランド志向を促す、などを試みたが、成功することはなく、「モノ」作り(ハードウエア)社会の限界を示す結果となった。その後、知的財産の考え(ソフトウエア)が生まれた。知的財産には、「簡単に生み出せない(真似できない)」、「国のかっこよさをアピールできる」、「無限に作り出せる」という優位さがある。90年代に入り、先進国はこの知的財産の考え、つまり「コンテンツ産業」に力を入れ始めた。
 先進国にはそれぞれのコンテンツ産業戦略がある。アメリカのハリウッド映画やドラマが有名なのは、その戦略の成功の現れである。日本はアニメが有名である。つまり、文化戦略が重要になっているのだ。
 今、日本は2つの立場に揺れている。1つは、アメリカ・ヨーロッパの文化に憧れて受け入れ続けること。あるいは、「フジヤマ・ゲイシャ」のような「ニッポン」の型にはまったイメージを売り込んでいくこと。2つ目は、北野武監督の映画のような現代社会作品、「グローバル・スタンダード」なものを作り上げていくこと。
 コンテンツ産業は、「ニッポン」のイメージを作り替える力を持っている。一方で、「ニッポン」の型にはまったイメージを利用する力も持っている。双方で矛盾が働いているのが現在の日本のコンテンツ産業の状況である。

最後に崎山助教授から受講に際して、単位認定・成績評価・注意事項の説明があった。





「:産業構造の変化:知=財へ。」

「文化の戦略としてのコンテンツ産業」

「『ニッポン』のイメージ:コンテンツ産業の変遷」


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