JASRAC寄附講座 コンテンツ産業論1 立命館大学産業社会学部

11月19日

 第八回目は、株式会社植山事務所の植山周一郎氏より、「個人ブランディングがビジネスもライフスタイルも充実させる!」についての講義が行われた。(以下はその要約)

現代の社会における勝ち残り戦略は、「ブランディング戦略」だ。「ブランディング」とは、「ブランドの価値をあげること」を言う。ブランディングの名詞は「ブランド」であり、「ルイヴィトン」や「グッチ」を思い浮かべてもらえればわかりやすい。

今の時代は「Parity(拮抗)の時代」と言われている。Parityとは「全ての人間が同じ状況にあるということ」である。携帯電話を例に挙げてみよう。主な企業としてDocomo、vodafone、au、ツーカーなどがある。どの社の商品を取ってみても機能・デザイン・価格はほとんど同じだ。どの携帯電話もカラー画面で、カメラ付きで、料金体系も家族割引や無料通話がある。つまり、商品間の差別化はほとんど不可能なのである。これが「拮抗状態」である。今この拮抗状況を打破するのが「ブランディング戦略」である。

企業のブランディング戦略の成功例として、「メルセデスーベンツ」や「BMW」が挙げられる。価格が、国産車のシーマやセルシオは、600〜700万円であるのに対し、ベンツやBMWは1200〜1300万円する。性能や燃費を考えるとむしろ国産車の方が良いはずだ。ではなぜ倍の価格のベンツやBMWが売れるのだろうか。その理由が「ブランディング」だ。価格の差の600〜700万円は「ネームバリュー」なのだ。

ブランディング戦略には、「企業ブランディング」、「商品ブランディング」「パーソナル・ブランディング」の3つがある。今まで話したのが「企業ブランディング」と「商品ブランディング」だ。それに加え、これからの時代一番大切なのが、「パーソナル・ブランディング(個人ブランディング)」だ。「パーソナル・ブランディング」は、「内面を磨くこと」、「外面に表現すること」が重要で、その際に「H型人間」を目指して欲しい。「H型人間」は「I型人間」、「T型人間」を経てなることができる。「I型人間」とは仕事一筋(縦軸1本)の人をさし、典型的な日本人といえる。もちろん「H型人間」になるためにはこの縦軸をしっかりと持たなければいけない。そのために、今はしっかりと勉強をして実力をつけて欲しい。その後、その縦軸に「趣味・人脈」という横軸を増やして「T型人間」になって欲しい。この横軸は本業の縦軸を助けてくれるはずだ。そして、最後に「家庭」というもう一軸を加えて「H型人間」になって欲しい。「H型人間」になると、想像力が豊富になり、人間関係が良くなり、毎日が充実し、心身ともに快調になるはずだ。ぜひ、「H型人間」の仲間入りをして、会社を活性化して欲しい。



「ブランディング=差別化の鍵」
  ・イメージ、洗脳、心理学
  ・日本人ほどブランドに弱い人間はいない

「ブランディングの素材」
  ・社長
  ・経営哲学
  ・デザイン・素材
  ・性能
  ・販売高、利益、シェア、株価

「ブランディングの成功例」
  ・日産自動車
  ・松下電器産業
  ・アップルコンピューター

「ブランディングの伝説」
  ・ソニー・ウォークマン
  
   


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