JASRAC寄附講座 コンテンツ産業論1 立命館大学産業社会学部

12月3日

 第十回目は、テレビ東京参与の宮川鑛一氏より、「メディアは事実・真実を伝えているかーメディア教育(メディアリテラシー)の重要性ー」ついての講義が行われた。(以下はその要約)

メディアとは情報を伝える手段のことを言い、新聞・雑誌・ラジオ・テレビなどがある。日本人はそれらメディアとどう関わっているのだろうか。メディアの利用調査によると第一位はテレビであり、一日平均4時間見られている。次いでラジオが2時間30分、その後にCD、ビデオ、本、雑誌、新聞が続いている。また、関東の例を挙げると、ゴールデンタイムのテレビ視聴率1%は、約16万5千世帯にあたる。つまり、日本人にとってテレビというものは、突出した媒体だと言えるだろう。

しかし、突出した媒体であるテレビは、真実・事実を伝えているのだろうか。いや決してそうではない。テレビの映像には、本当でない映像がたくさん含まれている。その事実を知ってもらう為に、「硫黄島の戦い」(第二次世界大戦)のビデオを見てもらう。この映像は本当の映像のように見えるが、実際には無い映像が含まれている。まず音声が偽りだ。戦場でこのようにきれいな音声が撮れるはずがなく、後から作り足しているのだ。また、訓練の時の映像が混じっている。この他にも本当でない映像は日常に数多くある。毎日発行されている新聞においても、修正によって、洪水の写真には水の量が増やされたり、初冠雪の写真には雪が増やされている。最近では、雨天で中止になった運動会を前年の写真を使ってさも決行されたかのように掲載した記事もあった。このような捏造は許されるのだろうか。それを決めるのは視聴者である。

情報は、同じ情報でも情報を受け取る側によって異なるものとなる。例えば台風情報は、一般の人と農業に携わる人とでは受け取り方が違う。一般の人は家屋の心配がほとんどだが、農業に携わる人はその情報に自分の生活がかかってくる。人は自分の中で、情報の大小を決めるのだ。

テレビには、本当でない映像が多く含まれている。本当でない映像に気づいたり、見分けたりする為には、視聴者が力をつけなければならない。つまり、メディア教育(メディアリテラシー)が重要になってくる。メディアリテラシーの力をつけるには、映像と向かい合うときには、「本当でない映像が混じっている」と疑ってかかることだ。また、実際に自分自身が映像を作ることでメディアリテラシーの力がつく。どのカットを採用するか、音楽はどのように入れるかなどを考えることによって、よりメディアについて強くなり、メディアを楽しむことができるようになるだろう。



「メディアリテラシーとは」
  ・情報をクリティカルに批判的に解読し自らも発信する
 ・作り手と受け手の距離を埋めるもの

「目に余るCG映像」
  ・CGの映像にはCGであると記すべきではないだろうか

「日本のメディアリテラシーの遅れ」
  ・イギリスが最も発展している
  ・アメリカではメディア落ち度を調査する動きがある
  

  
   


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