JASRAC寄附講座 コンテンツ産業論1 立命館大学産業社会学部

4月23日

須藤晃 「音楽ビジネスの明るい未来について」

尾崎豊や玉置浩二をプロデュースしたことで知られる須藤氏。「成功すると脚光を浴びると同時に、自分が育てたアーティストが離れていく。それは自分の育てた子どもが親離れしていくようだ。そんな寂しさもある」。そう話す須藤氏の講義は、型破りで学生に衝撃を与える内容だった。

須藤氏は講義の冒頭で、最近の経済ニュースを取り上げながら、次のような価値観を披露した。「足が速いだけでは、それは自分のためでしかない。足が速くて早く荷物を運べれば、それは善になる。同様にお金も持っているだけでは自分のためでしかない。お金を使って社会に貢献しなければ善にならない」。

続いて須藤氏は「著作権を守ってお金を徴収するシステムは大切だ。しかし、スポーツニュースで選手のインタビュー映像を流すときに、テレビ局が選手や球団にお金を払っているわけではない。だがカラオケで1回歌うたびにアーティストにお金を払っている。アーティストは基本的に、金儲けのために作品を作っているわけではない。誰かが『この歌いい歌だね』って言っただけでお金を徴収する、そんなシステムがいいシステムなのか。もっと音楽を自由に聴けるようにしないと、逆に音楽が売れなくなってしまうのではないだろうか」と現在の著作権をめぐる状況について問題提起をした。

またアーティストとプロダクションの関係について、「本来はアーティストが中心になるべき。しかし現実はプロダクションが中心になって、アーティストが軽く扱われている」と語った。

最後に須藤氏は、学生に対して逆に質問をした。1.今一番興味があることは。2.自分の長所。3.自分の短所。4.自由に何か作っていいと言われたら何を作りたいか。5.10年後自分は何をしているか。の5つの質問をぶつけ、学生に頭を使って考えることを促した。さらに須藤氏は「常に誠実であること」「やろうと決めたら継続して続けること」「自分を信じること」の3つのメッセージを学生に送り、講義を締めくくった。


「プロデューサーは父親・母親」

「アーティストはお金を集める目的で作品を作っているわけではない」

「権利の名称を覚えるんじゃなくて、ぼんやりと全体の感じを掴んでほしい」

「『人』が『木』に寄りかかって『休』になる。『人』が『言』に寄りかかって『信』になる。少なくとも自分から出た言葉は信じてほしい」

「人生は出会いがすべて。人と出会ってつながることができるのが音楽プロデューサーの喜び」


Copyright(C) Ritsumeikan Univ. All reserved.
ご意見・ご質問・お問い合わせは
立命館大学産業社会学部事務室
Tel:075-465-8184 / mail to: so-www-adm@kic.ritsumei.ac.jp





コンテンツ産業論トップへ