JASRAC寄附講座 コンテンツ産業論1 立命館大学産業社会学部

5月21日

酒井 政利 「プロデュース感覚」

今回の講師は郷ひろみ・山口百恵など、約300人のスターをプロデュースし、「伝説のプロデューサー」という異名を持つ酒井政利氏。冒頭、酒井氏は「自分が活躍できる『場』を勝ち取ることがプロデュースの第一歩」と述べた。だが続いて「『場』を勝ち取ると才能が伸びていくと同時に、欲深くなり、自己嫌悪に陥る。自分のやりたいことができないという思いに囚われるようになる」と語った。そういった時、酒井氏は劇作家・詩人・作家など幅広い分野で活動した寺山修司氏に教えを請うている。そこで酒井氏は「『遊び心』が必要。作り込むのではなく、『LIVE』でないといけない。楽しまないといけない」と寺山氏にアドバイスを受け、心が軽くなった経験を話してくれた。

続いて酒井氏は「人間関係は50:50ではケンカになってしまう。自分が20で相手を80にするとバカにされる。基本的に対等でどちらかが一歩ゆずる49:51がいい」と人間関係を良好にするための秘訣を語った。

そして話は山口百恵との始めての出会いへと続く。酒井氏が山口百恵と初めて会った時、顔も服装も地味だった。しかし、なんとなく気になったという。当時を振り返って、「『非言語の世界』をキャッチできると物事がうまくいく。彼女はその力が非常に優れていた」と述べた。また、「非言語の世界」を鍛える方法として、見たことのある映画の音声を消して見てみることを学生に勧めた。

最後に酒井氏は南太平洋の旅の経験を話した。その旅は、テレビも新聞も電話もない。日本語が通じる相手と話す機会もほとんどない。食事は口に合わないし、寝ているとヤモリが落ちてくる。そんな旅であったらしい。だがそんな旅を通して酒井氏は「からっぽになれ、客観的になれた」と語り、「現代人は利便性の中で不感症になっている。自分が夢中になっているものをしばらく断ってみると、新鮮に見えて感動が生まれてくるものだ」と述べた。

酒井政利写真

「説得とは人の話を聞くこと」

「人間関係は49:51」

「人が気にするから人気」

「言葉は飾れる。表情は飾れない」


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