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7月9日
北田 暢也 「コンテンツの流通促進と音楽著作権の集中管理」 |
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2005年度前期のコンテンツ産業論の最後を飾るのは、本講座にご寄附をいただいているJASRACの企画部長北田暢也氏。JASRACの業務内容を紹介しながら、コンテンツ流通と著作権管理の現状を系統的に話していただいた。 近年、日本政府は知的財産立国を目指し、様々な取り組みを行っている。知的財産立国実現のためには、コンテンツ流通の促進が何よりも重要な課題だ。そうした中でJASRACが著作権管理事業者として担っている役割は大きい。利用者への権利者情報の提供、権利者への利益の還元、違法利用の撲滅し、円滑な権利処理システム構築などの役割を担っている。 北田氏は著作権管理事業の歴史について語ってくれた。その中で2000年に制定された「著作権等管理事業法」について、管理事業の規制が緩和され新規事業者が参入してきたことについて触れ、「新規事業者の参入によって、コンテンツの使用料が安くなったり、効率的な管理ができるようになった反面、コンテンツを利用する際に複数の管理事業者に許諾を得なければならなくなった」とメリットとデメリットを解説してくれた。 続いて北田氏はJASRACの業務内容や著作権管理システムについて教えてくれた。例えば、外国の音楽を日本で利用したり、逆に日本の音楽が外国で利用される場合の権利料徴収については、各国の著作権管理団体と相互管理契約を結び管理を行っている。しかし韓国とは未だに相互管理契約を締結するまでに至っておらず、課題の1つになっていることなどを語ってくれた。また、近年大きな問題になっているネットワーク上での違法利用対策として、違法に配信しようとしている音楽データを探し出す監視システム(J-MUSE)を稼動させ、違法データを発見すれば、警告のメールを送ったり、プロバイダに送信停止請求を行ったりしていることも明らかにした。 |
![]() 「著作権管理事業の基本は地道な活動の積み重ね。昔はカラオケ店を1軒1軒回って著作権料の支払いをお願いした」 「我が国には優れたコンテンツとそれを配信できるブロードバンド環境がある」 「著作権に対する理解の促進や音楽文化の振興も我々の仕事です」 |
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