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2024/7/25

No.102「さんしゃにいなかったひと」
●2007年卒業:大西 崇也 さん

薬学部から産業社会学部への進路変更

 初めまして、大西崇也と申します。

 「さんしゃびと」に載るのが申し訳ないくらい産社にいなかったのですが、ご縁があって執筆させていただくことになりました。

 

 実は産社を選んだ理由も適当で、親と姉が同志社だから一緒は嫌。理系だったけどBKCは遠いし男ばっかりだから嫌。ガチの文系学部は苦手やしこのよくわからん産業社会学部という名前の、メディアとか興味あるから情報メディア学科にしよう。校舎も新しいし。という感じでした。

多様性こそ産社「らしさ」

 さて、大学では楽しいことをしようと、音楽が好きだったのでバンドを組んだり、学園祭のコンサートに関わりたいと思っていたので学園祭事務局(さいぢ)に参加しました。さいぢはほぼ会社の様で企画立案、会議に看板やパンフレットの制作と毎日大忙し!ここが僕の最初の居場所となりました。初めて自分の企画を持った新歓祭典では、BKCのグラウンドで巨大キャンプファイヤーをするという後にも先にも誰もやったことのないイベントを成功させました。その達成感と、学生の偉い人から企画を潰されそうになった経験から嫌気がさし、さいぢは1年ほどで辞めました。でも当時の仲間は今でも繋がっているほど濃い1年でした。

 その後は、コロナ禍で惜しくも廃部してしまった『出前ちんどん』を中心に過ごし、まさに学生会館がメインの4年間でした。

 そんな生活が出来たのも、パラダイスと言われる産社のおかげです。

またそんな人が大勢いる多様性こそ産社「らしさ」なのかもしれません。

自分の店『ブイヤベースのお店 プチポワソン』を持つという人生

 「単位さえ取れたらいい」とほぼ講義に出てなかった僕にも、今の自分の構成要素となる大きな学びはありました。

 まず、マスメディアは一方向からの報道しかしていないということ。コロナ禍における報道や今回の東京都知事選でも感じました。報道を真に受けてはいけない、情報を取捨選択しちゃんと自分で考える習慣が身につきました。

 山口先生の環境論。太陽光発電における製造から廃棄までのコストを考えたら本当にエコなのか。今の電気自動車も同じです。当時は東日本大震災が起こる前でしたが原子力発電における環境破壊や使用済み燃料の廃棄、廃炉まで考えたコストの大きさ。まさに先生がおっしゃっていた最悪の事態になりました。クリーンに見える部分だけでなく物事の全体を通して正しく考える視点が身につきました。

 映画の授業、芸術のムーブメントは連続的に起こるのではなく突然、ドラスティックに発生するということ。好きな音楽をより楽しむための理解となりました。

 大学に入るまでは理系だったこともあり「正しい」ことが価値の基準で、かつ自分は正しいと思い込んでいました。しかし産社に入り、サークル活動などでも多様な人々と交流ができたことによって、自分の凝り固まった考えがほぐされ、色んな考え方や人との繋がりを大切にできるようになりました。

 その後、紆余曲折もありましたが、大学時代の経験や人との繋がりも活かし、2020年に自分のお店を持つことができました。産業社会学部という選択がなければ今は全く違う人生だったと思います。当時は勉学をおろそかにしていたくせに、これからは「校友」という仲間意識に甘えていきたいと思います。

●大西 崇也(おおにし たかや)

卒業年月日 2007年3月 卒業
出 身 地 京都府
現 住 所 京都府
勤 務 先 自営業
『ブイヤベースのお店 プチポワソン』
ゼ ミ 名 黄 盛彬ゼミ(3回生)
所属サークル
団 体
特別事業部さいぢ
多国籍音楽サークル 出前ちんどん