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2014/2/21

No.28「失敗は自分の人生を分厚くする成長機会」
●2005年卒業:横田 親さん

思考の枠を広げる大切な時間

 今から振り返ると、大学時代というのは思考の枠を拡げる非常に大切な時間だったと思います。高校3年生のときに偏差値が30くらいしかなくて、半年でなんとか60近くまで上がって、奇跡的に立命館大学に入学しました。大学の授業は、それなりに要領よく、落第もせず、留年もせず、いくつか単位を落としながら(笑)、バイトと自分の活動に明け暮れ、無事に卒業をしました。

 今になって思い出す大学時代のことは、周りに刺激を受けながら自分なりにチャレンジしてみたことばかりです。例えば、在学中には人力車のバイトを1回生から2回生にかけて挑戦したのですが、社会人と同等の扱いをされ、売り上げをきちんと上げさえすれば評価をしてもらえるという実力評価を体感し、そこで実績を上げることも出来ました。経験の有無などはメリットになる場合もあれば、固定概念を生み出すデメリットになることもあります。大切なのは意欲と気力が言葉と行動を押し上げていくことであり、やはりお客さんと時間を過ごしたい、お客さんの声かけだけで一日が終わっていたらつまらない、だけど声かけだけで終わったとしても何かを学んで絶対に帰らないと勿体ない、そんな気持ちで毎日を過ごしていました。日々の積み重ねは、毎日少しずつだけ変化を生み出し、それが数週間・数ヶ月単位で振り返ると、大きな違いになって現れることが体感できたのも素晴らしい経験だったと思います。

チャレンジの連続だった大学生活

 3回生のときには、友人とヒッチハイクで日本を一周しました。延べ70名を超える方々に乗車させてもらい、日本地図を持って、黒色のマッキーとスケッチブックを持ち、それ以外は必要最低限の荷物とお金を持って旅をしました。本当は東北くらいで引き返す予定にしていたのですが、乗せてもらった方々との会話や、順調に進む進路を考慮して、日本を一周して帰ってこようと、旅の途中で目標を高く設定し直しました。多くの方と出会い、日本一周の目標を語ると、応援してくれる方々からいろんな想いや食べ物などを頂きました。大学生のアホなチャレンジにも関わらず、「ええなあ、若いときにやっておきたかった。がんばれよ!」と心から応援してくれる方々の優しさに本当に感激し、また実はこういった優しい人たちに応援されながら今まで20年ほどずっと生きてきたのかもしれない、と気付いたのでした。何より僕らは恵まれて生きてきており、優しさに包まれて育ってきたことを感謝し、これから僕らのそばにいる人や、出会って恩を頂いた人たちにその恩を返すような生き方をしていかなくてはいけないと学んだのでした。

 4回生のときには、アメリカへひとり旅に行きました。とある本でネイティブアメリカンの考え方に衝撃を受けたことで大学生活が非常に豊かな時間になったので、それを子孫の方に御礼を伝えにいくという、周囲に一切理解してもらえない目的で出掛けたのでした。しかもアポイントもなしで出掛けて、現地で暮らしてみたいという願望も、周囲には「絶対無理だ、やめておけ」と言われたのですが、無視して出掛けることにしました。このためだけに運転免許を取得し、人生はじめての運転が海外で、ラスベガスで、しかも左ハンドルというドキドキもあり、3日間のひとりぼっちの走行は心細さもありましたが、4日目には無事にネイティブアメリカンに会うことが出来て、しかも10日ほど一緒に暮らすことも出来ました。とにかく周囲はトライもしてないことを、簡単に「無理だ、出来ない」と言うので、こういうことを言ったらまず疑ってかかろうというのを心に決めたのでした(笑)。 実力主義の世界で働いたことを通じて学んだ仕事への覚悟や、周囲が無理だと言っても自分だけは諦めずに踏み出す気持ちや、何より優しい周囲への感謝の感情をもって生きていけるようになったことは、その後の自分に大きな価値がありました。働きながら大学院に通い、MBAを取得したり、大企業を辞めて地方に移住したり、独立して個人事業主として経営コンサルタントとして稼ぎ始めたり、今では地元でもない町で市議会議員をするようになりました。

自分に出来ないことはないと信じる力

 大学時代は、社会人と比べると、時間がとにかく有り余っていたので、トライするチャンスが無限に転がっていたように思います。そこでいろんな人がいろんなことを言いますが、死なない程度の失敗は構わないと思うし、僕と同じように痛い目を見ないと勉強出来ない人もいると思いますので、大学生のうちに時間を割いて出来るチャレンジを重ねておくべきじゃないかと思います。自分に出来ないことなどないと信じ、また周囲にどう思われるかよりも何がしたいかを優先し、失敗は自分の人生を分厚くする成長機会だと捉え、強いハートで自分を鍛える時期としてゆけば良いと思います。もちろんせっかく時間がいっぱいあるので遊ぶのも良いと思いますが、単に誰かが用意したゲーム(遊び)でルール通り遊ぶばかりではなく、たまには自分でゲーム(遊び)を作る側に回るように、日々を楽しく、ハードに過ごされることをオススメします。おかげさまで僕の人生は楽しいです。みなさんの人生も楽しいものでありますように。

 また校友の皆さんにおかれましては、方々でそれぞれご活躍のことと思います。たまに再会して思い出話に花を咲かせ、それまでの時間をお互いにどう過ごしたかを確かめ、また次に会う時までが楽しみになる、そんな接点を持つ仲間で在り続けられたらと思います。今までお世話になっている方も、これからの人生で初めて出会う方も、同じ大学で過ごした仲間として、これからも宜しくお願いします。

●横田 親(よこた いたる)

卒業年月日 2005年3月 卒業
出 身 地 三重県
現 住 所 兵庫県
勤 務 先 丹波市役所 非常勤特別公務員(丹波市議会議員)
ゼ ミ 名 松葉正文ゼミ
所属サークル
団 体
ヒーリングサークル OBAN(足ツボマッサージサークル)