■さんしゃびと »

2014/3/25

No.29「卒業記念パーティーの思い出」
●2011年卒業:竹内 洋正さん

産業社会学会学生委員会

 私が3回生でさんしゃ学会の実行委員長をつとめていた2009年頃から、産業社会学部の卒業記念パーティーについての議論が始まりました。当時は産業社会学部のみ、ホテルでの開催ではなく、以学館地下食堂で入場無料、出入り自由の卒業記念パーティーを行っていました。しかし、運営上の様々な問題があり半年間先生方や事務室の方々と相談した結果、2010年度からホテルでの有料開催とすることになりました。またその際に学生主体での開催を行うこととなり、卒業記念パーティーの実行委員会を結成し私が実行委員長を務めることになりました。初めてのホテル開催はどれ一つとっても手探り状態で、また個人的にもそういったイベントを企画したことがなく、大変難儀しました。

 しかし産業社会学部校友会の古谷会長をはじめ、先生方や事務室の方々、学部生の知り合いや卒業記念パーティーを通して知り合った仲間たちの多大な協力を得て、なんとか開催することができました。さんしゃびと第10回の冨永修史君や第27回の山崎裕也君も卒業記念パーティーでは大変お世話になった仲間たちです。皆様の多大なご理解、ご協力にここで改めて感謝させていだきます。

 卒業記念パーティーは産業社会学部との関係をそこで終わらせるのではなく、今度は新たに校友として産業社会学部校友会に参加していくイベントとなります。卒業記念パーティーのコンセプトを「卒業後も産業社会学部に関わりたくなり、OB・OGと在学生の交流がこれまで以上に密接になるための架け橋の場」とすることを目標とし、その入り口としてキャンパスとは違うホテルでの開催という選択は、有料にはなりましたが社会人として門出を祝う場所として本当に相応しかったと思いました。

 参加者は当初は200人集まれば成功かなとは思っていましたが、結果的に卒業生の半数に近い450人ほどの参加となり大盛況に終わりました。終了後の先生方や参加卒業生、事務室の方々の笑顔を見て、今でも本当にホテル開催を実行して良かったという思いでいっぱいです。

さまざまな難題に立ち向かったあの頃

 卒業後はすぐ京都市立中学校の社会科教員に採用されました。でも若くして結婚したこともあって、2年で退職してしまいます。いくつかバイトなども経験しましたが、そのうちに組織と離れた仕事をやってみたいと思うようになり、ある日「そうだ!司法書士試験を受けてみよう」と思い立ったのです。司法書士を選んだことに実は深い動機はなくて何かしらの縁。ひょっとしたら公認会計士や税理士を目指した可能性だってあるんです(笑)。私は独学することが全然苦にならなくて、妊娠中も育児の間もコツコツと勉強していました。

 2~3年のチャレンジの末に試験に合格。司法書士として仕事をしていくうちに、もう一段高いフィールドで力を試したくなって、司法試験にチャレンジすることを決めました。ところが今度は独学が全く通用しない。何回か試験を受けるうちに司法試験の制度が変わることになって、「これはもうお手上げ」と思い独学主義を撤回し、1期生として立命館大学の法科大学院に入学しました。私は法学未修者ですから本来的には3年修了コースになるはずですが、上述の「卒業論文」で意気込みを評価してもらえたのでしょう。2年修了コースで学ぶことになりました。でもそれからは大変。1日40時間くらい勉強しないと追いつかないという感じで、目から血が出る思いをしました。このときの経験は強烈で、今でも頻繁に悪夢にうなされるほどです(笑)。

 司法試験(新制度)は3回受験しました。ご承知のとおり受験の限度は3回まで。まさに背水の陣です。この3回目というのは受験生にとっては苛烈なプレッシャーで、精神的に追い込まれてしまい、3回目の受験自体を放棄してしまった仲間も少なからずいます。でも、私は不思議と追い込まれなかった。試験に不合格になったからといって、命が取られる訳ではない。一種の開き直りかもしれませんが、そう思うことで気持ちが楽になり集中力が高まって合格を手にすることができました。この時ばかりは自分で自分のことを大した奴だと褒めてあげました(笑)。

 弁護士の仕事は、やはり試験勉強よりはるかに大変です。クライアントの方々との折衝は、絶対に失敗が許されないこともあり、常に緊張感が張り詰めています。でも常に特別で専門的な技能が要求されるわけではありません。クライアントの方々の要望に真摯に耳を傾け、顕在・潜在しているニーズをきちんと引き出してくる。これは弁護士に限らず、全ての仕事に共通する基本事項ではないでしょうか。相手を自分の親である、あるいは子どもであると思うようにして物事を捉えると、経験上ほとんど間違いはありませんね。

校友会は貴重なコミュニティー

 産業社会学部卒業記念パーティーのホテル開催も今年で5回目の開催となり、今年からは会場のホテルも変わり、約380人の参加者が集ったそうです。第1回の開催時から「今後もホテル開催が継続していければ」と思いながら活動を行っていたので、こうやってしっかりと引き継がれていることは本当に感慨深い限りです。産業社会学部校友会のホームページを見ると卒業記念パーティーも含め、校友同士の交流や現役学部生との様々な形での交流企画がたくさんあり、どれも参加してみたいというイベントばかりです。ライフスタイルが多様化する現代社会において、卒業後も様々な職種や世代の方々と交流が出来る校友会はとても貴重なコミュニティーだと思います。

 今は日程が合わず、校友会の活動には参加できておりませんが、今後は出来る限り校友会の一員として参加することで自分を磨き、また新たな「つながりっつ」を通して産業社会学部を卒業した立場からも盛り上げ、より魅力的な学部とするお手伝いができればと思っております。

●竹内 洋正(たけうち ひろまさ)

卒業年月日 2011年3月 卒業
出 身 地 東京都
現 住 所 東京都
勤 務 先 日本慢性期医療協会事務局
ゼ ミ 名 高嶋正晴ゼミ
所属サークル
団 体
放浪同好会、産業社会学会学生員会