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2015/8/27

No.46「産社で培った学びの姿勢」
●2012年修了:松岡 江里奈さん

射撃を通して出会った産社と私

 2012年修了の松岡江里奈です。産業社会学部の社会福祉実習指導室で主事として、社会福祉士の資格取得を目指しておられる学生の皆さんのサポートをさせていただいています。

 私は高校時代から射撃部に所属していました。産社への進学を決めたのは、高校3年のインターハイの時でした。団体戦では優勝できたものの、個人戦は惜しくも2位という結果に、「このままでは引退できない!」と思い、大学に進学し射撃を続ける決意をしました。その際、射撃だけではなく学業にも力を入れたいと考え、文武両道の教育を展開している立命館大学の中でも、興味のあった精神保健福祉士課程のある産社への進学を決めました。

 学生生活を思い返すと、本当にあっという間だったなと感じます。2回生までは部活動一筋の学生生活でした。「もっと強くなりたい」「良い成績を残したい」と毎日必死に練習していたことを思い出します。その結果として、日本学生選抜で立命館初の女子団体戦の総合優勝と個人優勝を果たし、学生日本代表として世界学生選手権にも出場することができました。結果は団体戦優勝と個人8位入賞でした。日本代表として世界で戦った経験と、主将として部をまとめた経験は今でも自分の支えになっていると感じます。

勉強から学問へ

 3回生からは社会福祉に関する専門的な講義が増え、学業にも重点を置くようになりました。精神保健福祉士の課程では、学外の様々な分野の施設に見学に行き、多くの人に出会い、刺激をもらいました。4回生の時には、「もっと多くの人に精神障害について知ってもらいたい」という思いから、『ふるさとをください』(2008)という精神障害のある方が通う作業所を舞台とした映画を学内で上映する活動も行いました。ゼミ生と学びや議論を重ねる日々の中で、学び続け、深く考えることの大切さ、さらには、その学びや自分たちの意見を社会に発信していくことの大切さに気づくことができました。この「勉強から学問へ」という気づきが大学院への進学のきっかけを与えてくれました。

 大学院へ進学してからは、生きづらさを抱える若者への支援について研究をしました。指導教員やゼミ生との議論、学外でのフィールドワーク、研究会や学会など積極的に学びの機会を求めていきました。また、教員と院生によるプロジェクト研究では、韓国にもフィールドをひろげ、日韓の若者の比較研究を通して、広い視野で自分たちが生きている社会を見つめなおすことのできる期間でもありました。

一生懸命の先に

 産社に入学し、射撃部での活動、ゼミでの取り組み、そして大学院での研究を通して同じ志を持つ人たちと出会い、一生大切にしていきたいと思える仲間ができました。本気になれたからこそ得られた出会いと絆だと思っています。また、一生懸命打ち込むことで見えてくる世界があるということを知りました。勝ち負けや、表面的に現れる結果だけでなく、見えなかったものが見えてきたり、学び考え続けることの大切さに気づくことができたりと、これからの私の人生の糧となる多くの発見がありました。

 卒業後も韓国留学や研究会への参加など、産社で培った学びへの姿勢を忘れずに、多くのことに触れるようにしています。現在は、元の学び舎である産社で、少しでも学生のみなさんのサポートができればと思っています。学生のみなさんを見て、これから多くのことに挑戦できる環境が羨ましいと感じると共に、私の学びの経験を後輩たちにもつないでいきたいと思います。一生懸命の先にひろがる景色を、学生はもちろん、多くの人と共有していきたいです。

●松岡 江里奈(まつおか えりな)

卒業年月日 2012年3月 博士課程前期課程修了
出 身 地 岐阜県
現 住 所 京都府
勤 務 先 立命館大学
ゼ ミ 名 山本耕平ゼミ
所属サークル
団 体
体育会射撃部