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2016/6/29

No.54「産社にはアーティスティックな人がたくさんいました。」
●1999年卒業:小泉 大輔さん

産社で学んだアカデミックな考察が

 はじめまして、1999年度に人間文化コースを卒業した小泉と申します。現在は烏丸御池付近で音楽スタジオ「SIMPO」を運営し、エンジニア/プロデューサーとして録音や編集、CDの制作やリリースを行っています。

 現役の立命生にも利用していただいていて、話をしながら作業をしていると学生時代に戻ったような感覚になります。

 

 社会学部では豊富なテーマを扱った講義を自分で選択してカリキュラムを組むことができ、また他大学の講義の単位互換制度も活用して色々な角度から自分の興味にあったことを掘り下げることができました。

 その中で私は美術や芸術の批評、現代哲学を学びました。美術や芸術を客観的に批評することは単なる作家の生い立ちやバックボーンを作品に添えることでは全くなく、批評すること自体が新しい価値や物語をつくることであるといった、アカデミックな考察が自分の創作活動や今の仕事の礎となっています。

学生時代の自然な成り行きで今の仕事に

 サークルはロックコミューンに所属しバンドを結成、産業社会学部はその当時恒心館だったので、学生会館との往復の毎日でした。同期のバンド仲間との音楽談義、作曲や演奏の批評は終わることが無く朝まで続き、アルバイト代はすべてレコードと楽器につぎ込む生活でした。気づけば「これは仕事なのか」という自然な成り行きで卒業後レコード会社から数枚レコードをリリースしました。バンド自体が4、5人の小さな会社のような気分で、バンドや音楽を通して人や社会との関わりを知りました。

 レコードの契約が終わってからは、もう少し作品作りを客観的にやってみたいという思いから、レコーディングや作品づくりをサポートできるような技術を学びなおし、スタジオを運営しています。今のエンジニア/プロデューサーの仕事は、企画から録音〜リリースをします。いわゆるインディーズといわれる、テレビや雑誌を使った規模の大きいミュージックビジネスと寄り添いながら、新しいもの/良いものをより音楽、芸術として純粋な部分を響かせて届けたいという思いで企画制作しています。具体的には演奏を複数本のマイクで収録し、そのバランスを調整して(もしくはアンバランスにして)CDやファイルにまとめることですが、演奏を客観的に聴き、あたかもそこで演奏しているように、あるいは反対に生演奏では聴こえない演出をして作品として仕上げます。

批評の目をもって客観的になる

 YOUTUBEなどでご存知の通り、ITの進化とともに録音や制作したものを発表する場が身近になる中、芸術美術、サブカルチャーにもITによって大きな変化がありました。誰でも簡単に作品に触れたり発表できるようになった今日、作品を制作し発表するときに、批評の目をもって客観的になれることは、大学で学んだことが活かされています。

 産社にはアーティスティックな人が多く、たくさんの刺激を受けました

●小泉 大輔(こいずみ だいすけ)

卒業年月日 1999年3月 卒業
出 身 地 大阪府
現 住 所 大阪府
勤 務 先 music studio SIMPO
ゼ ミ 名 仲間裕子ゼミ
所属サークル
団 体
ロックコミューン