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2018/12/25

No.77「産業社会学部を卒業してからの私」
●1992年卒業:松下 賢一さん

産業社会学部高田ゼミでの思い出

 当時、都市・生活コースに所属していました。まちづくりや地域活性化に漠然と興味があり、3回生のゼミ選択時に、「住民参加のまちづくり」をテーマにした高田ゼミが新たにスタートすることを聞き、志望書を書きました。何とかゼミに入り、活動は楽しかったです。3回生の時は、高田先生の仕事で繋がりのあった長浜、近江八幡、大阪京橋、神戸北野の調査実習を行い、4回生では、テーマのまちを決め、チームを組み、フィールドワークを行い、卒論にまとめました。私は、近江八幡チームのリーダーとなり「近江八幡の商業活性化とまちづくり」をテーマに、文献調査、アンケート調査、近江八幡市役所の職員の方に協力いただきシンポジウムみたいなものも開催しました。

 今となっては良い思い出です。ゼミ全体では、城崎でのゼミ旅行でしょうか。ちゃんとまちづくりの視点を忘れずに、当時の城崎町役場の方を講師にお招きし、城崎の温泉を活かしたまちづくりを伺うとともに宿泊先もアドバイスいただき、カニと温泉を満喫できたのは嬉しかったです。  あと卒業時にゼミで独自の卒業アルバムを作ったのもよい思い出です。普通のアルバムにゼミ生一人ひとりの写真を貼り、その横に他のゼミ生たちで考えたそのゼミ生への一言コメントが入っています。

 これは一番の宝物かもしれません。私にとって、ゼミ活動は大学で自ら学んでいるという実感がありました。高田先生の指導の下、自分たちで考え、ゼミ活動を作る経験ができたことは間違いなく今の自分に繋がっていると思います。

これまでの仕事と現在の仕事

 ゼミで地域活性化について学んだため、就活は、不動産、鉄道を中心に活動しました。 結果、鉄道会社に入社して、駅員、リゾート開発、グループ会社や経済団体にも出向し、様々な経験や様々な方々に出会い、学ぶことも多かったです。

 現在は、甲南大学の地域連携センター事務室に勤務しています。14年前に転職して、大学の広報、企画、研究推進と様々な業務を経験してきました。

 地域連携センターでは、自治体との連携、ボランティア、生涯学習、大学間連携を担当しています。大学間連携業務では県内の学生と一緒に、7年前から宮城県名取市、2年前から熊本県益城町にボランティア活動で伺うプログラムを企画・運営しています。阪神淡路大震災を経験した兵庫県の大学に何かできることはないかと考え、現地の大学との連携の下、活動を継続させていただいています。阪神淡路大震災を経験していない学生たちが、逆に東日本大震災や熊本地震災害から多くを学んでいます。また私もこの活動を通じて多くのことを学ばせていただいています。

高田ゼミ1期生ネットワーク・ミーティングについて

 私の所属していた近江八幡班では、大学卒業後、4人の予定が合う時に、卒論のテーマである近江八幡ツアーを開催しています。昨年12月、久しぶりに八幡のまちを観光ボランティアガイドの方と歩き、まちの変化を体感するとともに、「自分たちの卒業論文のとおりになっているな」などと勝手なことを言いながらも楽しかったのを思い出します。

 その時に、卒業後26年が経ち、一度ゼミのメンバーで集まりたいねと、そして昔を懐かしむだけでなく、これからの自分たち、10年後の自分たちに向けて、今何ができるのかを考える高田ゼミ1期生ネットワーク・ミーティングができないかと考えました。高田先生に相談したところ、賛同いただき、今年の9月29日(土)、立命館大学茨木キャンパスで開催することができました。北は北海道、西は鳥取から10名のゼミ生が集まり、高田先生の基調講演のあと、真剣に議論するワークショップを行いました。詳細は産業社会学部校友会ホームページ・高田ゼミ1期生 ネットワーク・ミーティング開催報告をご覧ください。今それぞれの立場で頑張っている高田ゼミ1期生と久しぶりに会い、これからについて議論ができたのは刺激を受けました。来年の開催日も決まりましたので、議論を深め、何かひとつは具体化、現実化できないかと思っています。

 長々と書きましたが、立命館大学産業社会学部を卒業して、本当によかったと私は思っています。ここで出会った仲間と今でも一緒に考えることができる。こんなに嬉しいことはありません。産社での出会いが今の私の財産になっていると確信しています。

●松下 賢一(まつした けんいち)

卒業年月日 1992年3月 卒業
出 身 地  
現 住 所 兵庫県
勤 務 先 甲南大学
ゼ ミ 名 高田昇ゼミ
所属サークル
団 体
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