2007年度研究会報告
第22回(2007.6.8)【第12回講演会】
テーマ | 『Phenomenological Perspectives of War as Organised Violence 「組織暴力としての戦争をめぐる現象学の視座」』 |
---|---|
報告者 | Dr.Hayo B.E.D.Krombach(Centre for Philosophy of Natural and Social Science London School of Economics and Political Science University of London) |
報告の要旨
クロンバッハ博士は、戦争という暴力を現象学的に解明しようとするものだった。 しかし、冒頭、暴力は、現象学を行なう自己そのものを破壊するかぎり、現象学的に扱うことができないという、刺激的なテーゼが提出された。そこから、戦争を支える「我々-彼ら」「自己-他者」 「主体-客体」といった対立項――しかし実体的でなく、関係のなかでののみ成り立つ対立項――が示され、さらに戦争に関わる6つのカテゴリー(大きさ、組織構造、共同体、歴史性、犠牲、暴力)について詳述された。 具体的な事例を取り上げつつ、刺激的に論が進められ、その後の討議においても活発な議論が交わされた。
谷 徹