研究者として出発した頃から、わたしは中江兆民を中心にフランス(広くヨーロッパ)の近代思想の日本への受容の問題を考えてきました。しかし10年ほど前から、ナショナリズムに関心を持つようになり、アイデンティティの観点から日本近代のナショナリズムを考察するようになってきました。それとともに、中国や韓国との関係が視野に入ってきて、日本の近代を東アジアという地域のなかで考える必要があると考えるようになりました。
近年はそうしたテーマで共同研究をおこなうようになり、中国や韓国の研究者と交流する機会も増えてきました。若いときに何度も挫折した中国語と韓国語にも、再度挑戦していますが、これはちっとも身につかない?
講座では、19世紀後半〜20世紀前半の日本の知識人が、中国や朝鮮について、そのように論じたかを紹介します。
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