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2008年3月1日 講師:

中国の環境問題の諸相 −その影と光−

 中国は、1980年代から、世界のすべての予想を裏切って、30年をかけて、年平均9%を超える高成長を続けてきたが、今、公害の発生や河川の渇水、国土の広い範囲での砂漠化など深刻な環境問題に見舞われている。
 その中、周辺諸国及び地球環境や気候変動にもっとも深刻な影響を及ぼしているのはともにエネルギーの消費から排出する二酸化硫黄(SO2)による酸性雨の広範囲発生及び二酸化炭素(CO2)の大量排出等が挙げられる。中国の場合、国民一人当たりでみた環境負荷は決して大きくない。1人当たりのCO2排出量は世界平均値の半分以下にすぎない。
 しかし、その大きな人口、急速な経済成長、石炭中心としたエネルギー消費構造のため、CO2 排出量は急速に増加し、総量ではアメリカに次ぐ世界第2位となっている。この酸性雨越境汚染問題とCO2排出問題を解決するには、中国自身の努力はもちろんのこと、先進国とりわけ日本との協力は不可欠であると考えられる。
 本講義では、中国が直面している環境問題の現状、課題と対応策のあり方について、日中協力などの視点から詳細に解説する。  

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