立命館土曜講座 開催講座一覧


2009年5月16日 講師: Yahaya Ibrahim

マレーシアの農村観光・島嶼観光の現状と課題

発展途上国では、ツーリズム(観光)は地元社会の経済成長を促す有効な手段であると考えられているが、マレーシアでも「アジアの主要な観光目的地」をめざす同国政府によるビジョンの実現のために、農村部や島嶼部では、地元のコミュニティや起業家の取り組みによって観光地化に向けた取り組みが推進されてきた。たとえば、ホームスティ・プログラムは農村観光開発計画が好例である。このプログラムは草の根レベルでの地元社会と地元起業家そして政府との協同によって実現され、経済収益をもたらすだけでなく、ツーリストや地元社会そして周辺環境に対してさまざまな利益をもたらすことも期待されている。島嶼部での観光開発も地元社会の社会経済的発展に寄与するだけでなく、社会文化的にも地元住民が自らの伝統的な生活様式に対して「新たな価値」を再発見するとともに、近代化への参入や新たな価値を「受容」させる契機ともなっている。本講座では、マレーシアにおける農村部および島嶼部における観光開発が地元社会にどのような影響を及ぼしてきたかについて検討を加えるものである。

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