2009年9月12日 講師：　安井　裕之

私たちの健康と生体微量元素

　地球上の「原子生命」は「原子地球の大気中成分（メタン、アンモニア、二酸化炭素）」と自然エネルギー（太陽光、雷の放電、放射線や熱）」が反応して誕生しました。「生命」は高度に進化していく過程で、さらに多くの元素を取り込んできたのです。しかし、これらの因子が「生命」の維持と継続にどのように関連しているのか、また私たちの健康にどのように影響しているのか、多くのことが未解明です。
　その中で、私たちの代謝分析学分野では、生命誕生の神秘に畏怖の念を抱きながら「現代のストレス社会において健康な人生を全うする」ことを大きなテーマとして「薬学」の立場から研究しています。具体的には、健康を維持する機能性サプリメントや、疾病を予防・改善する医薬品の開発にチャレンジしています。
　私たちは元素周期表を世界地図にみたて、周期表中に存在する多くの金属元素に着目しています。そして世界旅行をするが如く、個々の金属元素の特徴を活かした新規化合物の創製を目指しています。見出された新規化合物は、まず化学構造を明らかにし、続いて細胞内の作用機構を解明し、最終的には臨床で用いられる無機医薬品とするべく、日夜努力しています。

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