立命館土曜講座 開催講座一覧


2009年10月3日 講師: 山本 耕平

当事者は語る こんなに価値ある人生との向き合い

 和歌山市岩橋に「精神障害者の施設がわしらの街に来てくれたことを誇りに思う」という地域がある。当初、地域と精神障害者施設の間にありがちなコンフリクトが存在しなかったとは言えない。コンフリクトが激しかった時、行政マンとして説得に出向いた私に向けられたのは「障害者の施設ができるのは良い。だけど、なぜこの地域なのだ」という総論賛成、各論反対の言葉だった。この言葉を共に聞いた精神障害者のある仲間から、「山本さん、私らがどんな人間なのか私らが暮らしている姿で理解してもらおう」という力強い言葉を聞いた。私は、彼らに、支援者を支援する力強さを感じた。20年30年という長い間に渡って社会的無策から精神科病院への入院を余儀なくされている仲間たちがいる。地域で力強く働き暮らす仲間達は、症状的には退院が可能であるが入院を余儀なくされている仲間達が、地域で共に暮らすことができる社会を築きあげる為に力強い行動を行う。土曜講座では、その精神障害者(私にとっては、同じ時代、同じ社会を生きる仲間)と共に、地域や行政になにを求めるかを語りあう。

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