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2009年11月21日 講師: 佐藤 敬二

若年無業者の雇用対策を考える

 若年無業者は64万人にのぼり、25歳から34歳の完全失業率は5.2%と全体よりも毎年1%程度高く、大学に進学した者も卒業後の三年以内に三割が離職しています(いずれも2008年のデータ)。さらに、25歳から34歳の非正規雇用率は、1995年の3%から2005年の15%へと他の年齢層以上に急上昇しています。
 それに対して政府は、内閣府・文部科学省・厚生労働省・経済産業者が共同して若者自立・挑戦プランを策定し実施しています。たとえば厚生労働省の若年者雇用対策では、ジョブカフェやハローワークにおいて就職セミナーや職場体験、カウンセリングや職業相談、職業紹介などの支援を行い、若者自立塾において職業訓練を行うなどの支援がされています。
 しかし、これらの施策は、若者からのアクセスを待って対応する受身の施策である点に限界があるのみならず、限られた雇用機会の取り合いでしかなく、若者間の競争を激化させこそすれ雇用の総数が増えるものではありません。雇用の拡大につながるものとしては、若者を短期間雇用した企業に補助金を出すトライアル雇用の施策がありますが、これは非正規雇用を拡大するだけのことです。雇用拡大に向けた施策こそ求められているのではないでしょうか。

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