立命館土曜講座 開催講座一覧


2010年1月16日 講師: 安江 則子

ユネスコ世界遺産条約の21世紀的意義

 1月と2月の土曜講座は、ユネスコ事務局長を10年務められた松浦晃一郎氏をお迎えして世界遺産シリーズを企画することとなった。ユネスコの「世界遺産条約」や「無形文化遺産条約」は、文化的多様性の保護や、自然と調和した発展を提唱するユネスコ精神を体現している。2008年、ケベックシティで開催された「ユネスコ世界遺産委員会」に参加する機会を得た。この会議では世界遺産をめぐって、都市化の影響、観光と保護との両立、紛争や災害といった脅威への対処、国境をまたぐ遺産の管理など多岐にわたる課題が議論された。
 世界遺産は、民族にかかわらず多くの人々を感動させ、知的好奇心の対象となり、時空を超えた文明や文化への理解を促す。「古都京都の文化財」が世界遺産に登録されて15年、世界各地から訪れる外国人の多さは、京都がもつ人類共通の遺産としての価値を実証している。21世紀の今日、効率性や短期的な結果志向の価値観が優先されるなかで、長い歴史を通して人類は何を創造し受け継いできたのか、その多様性のもたらす豊かさに目を向けることは大切であろう。





 私は大学で「歴史・文化を理解する観光」について研究しています。遺産・遺跡についても関連したテーマなので、今回の世界遺産の講義はとても興味深く、参考になりました。 人類が築いてきたものを良い物悪い物含めて未来へ伝えていくことが、現代の人々の使命であると思います。 そのためには現代の人々が遺産・遺跡について理解し、価値を見出すことが必要なのではないかと思います。それが保護につながるのではないでしょうか。 ユネスコが何のために世界遺産登録を行っているのか、まだまだ浸透していないと思います。 今後ユネスコの存在意義と今後の方針についてもっと明確にしていくべきです。 世界遺産登録の意義について人々が考え直す機会を提供することで遺産の保護も質も向上するのではないでしょうか。

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