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2010年2月27日 講師: 宗田 好史

世界遺産登録15年を迎えた京都とその内外の動向

 古都京都の文化財として17の社寺などが世界文化遺産リストに掲載されて、15年がたちました。 この間に世界遺産委員会では「グローバルストラテジー」始め、毎年のように新しい取り決めがなされ、多様な価値を見出す壮大な文化的作業が進むとともに、遺産管理計画の手法もまた各国それぞれに多様に発展してきました。 もちろん、京都でもこの15年に大きな変化があり、1994年当時と比べれば、隔世の感があります。 2007年の新しい景観政策、2009年の歴史風致維持向上計画(歴史まちづくり法)と次々に進歩を遂げ、世界遺産を取り巻く施策はずいぶん改善されてきました。 だから、現在の分散した17の社寺(京都市内には14)の掲載ではなく、歴史都市・京都全体を世界文化遺産に登録したいという門川市長の果敢なご意向も表明されました。 今や、ユネスコの求める遺産管理計画を用意し、次には再評価と追加登録に向けた新たな動きが始まっています。 そこで、英国やイタリア、スペインなどの歴史都市の最新の遺産管理計画と京都の状況を比較し、世界遺産都市・京都の今後の進むべき方策を考えます。





 京都は文化財の宝庫であり源泉である。殊に登録後15年を経ている世界遺産の建造物・文物は優美であり、内外の声価が高い。 勿論各国の遺産はそれぞれに意義を有しているが、比類のない京都の特色は更なる広報活動により存在感を高めたいものである。 その対象は景観を含めた美意識の追求であり、実物の公開であり、加うるに観光客の便宜を重んずる姿勢であって、これらが前提となるのであろう。

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