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2011年4月16日 講師:嘉指 信雄

「内部被曝」問題から核/原子力体制を考える ―ヒロシマ・イラク・フクシマ―

 2002年末、イラク戦争開始への危惧が高まりつつあった頃、はるばるイラクから二人の医師が広島にやってきました。1991年の湾岸戦争で大量に使われた劣化ウラン(DU)弾による深刻な被害を伝え、新たな戦争に抗議するためです。「市民平和使節団」に参加し、バグダッドや南部の町バスラの病院や学校などを訪れた私は、がんや白血病に苦しむ子どもたちの姿を目の当たりにし、劣化ウラン兵器禁止国際キャンペーンに取り組み始めました。

 そうした関わりを通じて私は、劣化ウラン被害のみならず、広島・長崎の原爆被害、さらには、今回の福島原発震災後の放射能汚染問題にも共通するのが、「内部被曝」リスクの隠ぺい、あるいは過小評価であると理解するようになりました。

 核をめぐる国際的秩序は、核保有国による軍事的パワーの維持を目的とするNPT(核拡散防止条約)体制と、原子力のいわゆる平和利用を推進することを目的とするIAEA(国際原子力機関)による管理体制を二本柱としていますが、福島原発震災以降よく耳にするようになったICRP(国際放射線防護委員会)による「放射線安全基準」は、こうした軍事的・経済的な「パワー/権力」体制を支える要石として機能しているのです。




 今回の原発事故で放射能の影響がとても気になっていて、マスコミ等を見ていたのですが、専門用語が多くて理解できていませんでした。なので、分かりやすく説明していただいてよかったです。私も広島出身で、高校時代の平和活動でヒロシマ、イラクの経験を広く知ってもらう活動をしてきました。その知識も再確認でき、また今回の福島原発の問題とあらためてつなげて考えることができました。情報を統制するような法律のため、真の情報を得られない中でも、もっと深い情報集めをしていきたいと思います。そして、これからの将来、このような問題が起きない社会を目指して私の関わり方も更に考えていこうと思います。

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