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2011年12月3日 講師:谷口 長世

グローバル化とEU地域圏,変貌する国際安全保障と欧州
−冷戦、ユーゴ、対テロ戦争、そして北アフリカ−

わたしたちは今、どんな安全保障の時代に暮らしているのでしょうか。よく世界の安全保障は多極化したといわれます。本当にそうでしょうか。この素朴な疑問についてお話の中で考えてみたいとおもいます。
私は「新冷戦」とも呼ばれた1970年代末からベルギーに拠点を置き、EU、NATOを中心に国際関係の変動の観察と報道に一貫して携わってきました。ポーランド戒厳令、「ベルリンの壁」崩壊、東西ドイツの統一、第一次湾岸戦争、ソ連消滅、ユーゴ分裂――後年、世界史年表に記される出来事が目まぐるしく起こっていきました。そしてその底流では冷戦末期以来、両極体制からつぎの国際安全保障へ向け新しい仕組みの構築が始まっていました。
講義ではこの新しい仕組みの生成の舞台裏に焦点を当てます。NATOの基本「ハルメル・ドクトリン」の中心人物ピエール・アルメル(英語読み ハルメル)元ベルギー首相をはじめ、米・欧・露の指導者たちとの対話やアフガニスタンなど現地取材体験を織り交ぜつつ、地域・民族紛争、対テロ戦争、海賊対策、所謂“アラブの春”に至る四半世紀の安全保障の変遷を検証したいと考えています。そしてそれは日本が現在、知らぬ間に巻き込まれつつある新しい安全保障体制の姿を捉える作業でもあります。



  情報収集のために使用するPCのOSが、アフガニスタンでもwindowsだったりする。このことをはじめとして、ハード・ソフト両面においてやはり敵・味方にかかわらず、アメリカの(企業の)影響力は大きいのだなと驚きました。衛星からの情報を、現場とは離れた場所で受信して監視するなど、21世紀型の安全保障の仕組みについてのお話を、とても面白く聞かせて頂きました。
質問者の方が、グローバリゼーションの理解・定義について質問されていて、私もハッとさせられました。

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