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- 錯視の研究
文学部心理学専攻 教授 北岡明佳
止まってるのに動いてる?
「錯視」の極みは美しさの極み。
静止画なのに、動いて見える。こうした現象は「錯視」の一つ。
目の錯覚といわれるが、本当は脳の関与が大きい。
錯視の原理を解明することは、視覚の解明につながる。
北岡は、発生の原理を追求すると同時に、
錯視量が多いほどに図形は美しくなることに気付いた。
線画が中心だった従来の錯視図だけでなく、カラフルでポップな作品づくりを行った。
作品は5千を超え、中でもウニのトゲが放射状に広がっていくように見える錯視図は、
海外の著名アーティストのCDジャケットに採用。全世界が知ることになった。
学問の垣根を超え、アートへと昇華した瞬間だ。
それでもなぜ錯視が起こるか?なぜ美しく見えるか?についても解明されてはいない。
視覚のメカニズムと美しさの極みを求めて、北岡の研究は続く。