Cases
活用事例
学生オフィス『万博学生委員会
「おおきに」』
| プログラム名称 | 万博学生委員会「おおきに」(学生団体) |
|---|---|
| 実施主体 |
万博学生委員会「おおきに」(実行) 学生オフィス・OIC地域連携課(伴走・支援) |
| プログラムの参加者 | 「おおきに」に所属する学生および関連の活動に参画する学生団体等 |
| プログラムの期間 | 2023年〜2025年(大阪・関西万博 会期:2025年4月13日〜10月13日) |
| プログラムの背景・目的 |
背景
本学が2025年の大阪・関西万博の協賛パートナーになったことを機に、2023年2月に大阪いばらきキャンパス(OIC)内で実施された記念プログラムを経て、学生部のもとで同団体を発足した。 目的1.万博を契機とし、学園ビジョンR2030で目指す学生を育成すること |
活用方法① プログラム固有の行動目標を設定し、学生の成長実感を把握
学生の振り返り(アンケート・レポート)と成長度レーダー(活動前後比較)に、立命館CF(R・I・T・S・U・M・E・I)を共通言語として用い、企画運営・出展・対話の過程での成長を可視化した。
| 立命館コンピテンシー | 立命館CF原文 | プログラム固有の行動目標 | |
|---|---|---|---|
| R | Resilience 立ち直る力 | 困ったことや失敗したことから学び立ち直る | 失敗や想定外の事態を乗り越え、次の改善にすばやくつなげるための行動ができる |
| I | Initiative 自発性 | 他の人に言われなくても、自分で自分の目標を立てて取り組む | 自分で目標を定め、行動に移すことができる |
| T | Teamwork チームワーク | 目標を達成するために他の人と協力する | 異なる意見を整理して、関わる人々の合意点を見つけることに貢献できる |
| S | Self-efficacy 自己効力感 | 自分の能力を信じ、自分ならできると思と感じている | 新しい難題に直面しても「自分ならできる」と感じられる |
| U | Understanding 理解力 | 幅広く物事を捉え、考えることができる | 相手の状況や背景、価値観に合わせて伝え方を工夫できる |
| M | Multitasking マルチタスキング | 複数のやり方を工夫して複数の問題をうまく進める | 複数の締切に対して優先順位をつけ計画的に進められる |
| E | Empathy 共感力 | 他の人の気持ちを想像して、その人に寄り添う | 「いのちを輝く未来社会」実現に向けて自己自身が貢献できる姿勢を貢献できる |
| I | Innovation 変革力 | 新しい考え方で、物事に変化を生み出す | 仮説を立て、試し、学びを次に活かすサイクルを回すことができる |
立命館CFには表現されないプログラム固有の行動目標
- 自分の関心領域・大事にしたい価値観が明確である
- 自分の強み・弱みを理解している
- 相談・協力を頼める学内外の方や継続的にやり取りをするメンター、目指したいロールモデルがいる
- 忙しい時期やストレスが高いときの自分なりの対処法がわかっている
- 来場者の状況・年齢・理解度に合わせて言葉遣い等の表現を調整し理解してもらえる説明
- 現場で状況に合わせて、臨機応変に主体的に行動できる
- 現場トラブル(機材不調・備品の不足や故障・想定外の混雑等)に優先順位をつけ対処できる
- 当日の状況を想定し、ワークショップの実施内容や手順、ブース導線・展示配置・待機列などの運営改善に積極的に意見を言える
- 来場者の反応・フィードバックを収集し、次回以降の運営や説明に反映し、ブラッシュアップしていくことができる
Teamwork
- 意見の対立は決して悪いことではなく、お互いが本気で取り組んでいるからこそ出てくる課題。
Self-efficacy
- ちゃんとやっていけるか不安だったけど、様々な方にお褒めの言葉を頂いたり、何度も人前で話すことで、人前で話すことに抵抗がなくなった。
- 自分が作ったものが実際に使われているというのがとてもうれしく自信につながりました。
Understanding
- 日本では食品ロスであっても他国ではマナーになりうると気づいたことから、同じ物事に対しても様々な意見を持つ人々がいることは当然であり、だからこそ面白いと考えるようになった。
すべての立命館コンピテンシーにおいて、学生が自らの成長を実感していた。中でも、社会課題を自分ごと化し、他者視点をもって自分の役割を考えられる共感力が上がったという自己認識に基づく成長実感が顕著であることが分かり、万博という特色ある活動の実態を確認することができた。特に、活動初期から意欲を持ってかかわっていたリーダー層の成長実感が他の層と比較して顕著であった。一方、「Teamwork(チームワーク)」についてはすべての層でフォロワーシップをもって活動し、大きな成長実感を得られていることが確認できた。このように、学生がどのような方向性と度合いで成長を実感しているのかという質感を言語化して捉えることができたことは、今回の試みの大きな収穫であったと考える。
今回はアンケート項目の設定や分析等を含めて手探りでの導入・実践を試みた。この経験を通じ、各現場が参照できる「活用事例データベース」構築の必要性を強く実感した。また、定量評価では測れない自由記述の質問においては、複数のコンピテンシーにまたがる複合的な成長実感を確認できた。こちらを捉える上では、現在は学生自身のリフレクションのツールとしても開発されているAIツールを横断分析的にも活用するなどテクノロジーの活用により分析を深めることができる可能性を感じた。今回の試みでは、アンケートの集計結果については、所属学生全体に公開したが、コンピテンシーごとの成長実感と学生の声や、コンピテンシー・フレームワークの考え方等の詳細については、リーダー層を中心に、今後、団体内で先輩から後輩に対しピア・サポートとして成長をサポートしていくための研修として実施した。今後は、可視化したデータやコンピテンシー・フレームワークの考え方自体を学生の次なる挑戦へ繋げるための「効果的なフィードバック手法」についても、支援者間で事例として蓄積・共有していくことが必要と感じている。