Episode
立命館学園が育む8つのコンピテンシー。
それらがどのように日々の経験を通して育まれるのか、多様なエピソードを通してご紹介します。
※これらのエピソードは、2024年度に実施した「立命館学園コンピテンシー・フレームワークに関する全学園調査」において、実際に児童・生徒・大学生および大学院生から寄せられたものから、個人が特定されうる情報を除去・加工したものを掲載しています。
コンピテンシー
エピソード
私は、地域の小学生を対象とした陸上クラブで、コーチとして子どもたちを指導し、チームの運営に注力してきました。参加者の中には走ることが好きで向上心がある子がいる一方、親に勧められたなど消極的な子もいました。大会に向けた実践的な練習が多いため、苦痛で欠席や途中で抜け出す子が度々みられました。その状況をみて私は、まずは運動の楽しさを理解してもらうことで、気持ちが楽になるのではないかと考えました。勝負にこだわらず、全員が楽しめるきっかけが必要であると考え、監督や他のコーチと話し合いを重ねた中で、運動会を行うことを提案しました。しかし、コーチの人数不足により、開催が難しいと判断されました。そこで私は、長年のクラブの実績から、保護者との強い信頼関係が構築されている確信があったため、保護者にも運営を協力してもらうことを提案し、協力をお願いしました。すると、快く引き受けていただき、人数不足という課題も解決され、無事に運動会を開催することができました。種目は短距離のほか、お玉リレーや綱引きなど全員が楽しめる種目を中心に行いました。するとお玉リレーで盛り上がり、練習が嫌いだった子たちも陸上の楽しさが伝わったのか、次の練習から積極的に参加するようになりました。この経験から状況を的確に把握し、問題を解決する過程を学ぶことができました。
Teamwork
自分が考え,実行したモノが世の中の客観的な評価対象となった時。2024年10月16日。私が2023年2月に自ら提案,企画し,企業との共同研究で取り組んだ内容が,「勇気と有機あるデザイン」の表彰を標榜する「2024年度グッドデザイン賞」を受賞したと,前述したが,この実証的な取り組みとして,産学官地域連携の新しい共創モデルを提案し,実践した。異業種の企業や異分野の学術,地域の小学校や警察等の優秀人材を選定し,有機的に組み合わせ,社会課題の解決を目的としつつ,社会的インパクトの創出を目指した。その結果として,第三者機関(世界的なデザイン賞)からの評価を受けることができた。
Teamwork
上記と同じく、4年程前に、仕事で自治体に雇われていた頃、最初はある程度地域の人がついて、一緒に地域を盛り上げる企画を考え、実践していたが、他人に予定の一部を任せることで、相手が予定通りに動いてくれなかった時に、全体の予定がずれいてくという経験をした。相手が予定通りに動けなかった時に、自分が動くということをあまり考えていなかった点について反省し、それ以来、なるべく自分一人で企画や目標を立て、もし他人に頼ることがあっても、最悪の場合に自分一人で回せる準備と、最後までそれをやり遂げる覚悟が身についた。
Initiative
3〜4年前に、仕事で自治体に雇われていた頃、自分の企画として、地域の若者に動画の作成を依頼したことがあった。若者達には好きに動画を作成してもらうつもりで企画を進めていたが、動画が出来上がる最後のチェックの段階で、自治体側からの修正指示が大量に出てきた。その際、お互いの意見をうまく取りまとめることができず、自治体側の修正指示を優先したため、彼らが考えていた通りの作品ではなくなってしまい、彼らは怒り、動画内に自分達の名前も入れて欲しくないということになり、結果、誰も望んでいないものができてしまった。その事で、自分の仕事の進め方や、自分が何を守らないといけなかったのかについて非常に反省させられた。その仕事も辞めてしまおうと何度も思ったが、辞めるのは一番簡単な選択なので、それ以外で自分にできることはないかをもっと真剣に考えるようになった。それ以来、安易に人に頼らず、自分にできることを積み上げることで、実績と他者からの信頼を得る重要性を学び、一人で動画作成をするようになったが、それなりの結果を残すことができたことと、その後の仕事につながり、そこでも困難に負けずに考え続け、現状を打破する思考や忍耐力のようなものが身についたと思われる。
Resilience
地元の商店街のレンタルカフェスペースをお借りして、毎月3回ほどボードゲームカフェを運営した経験から。始めの数ヶ月は来客数が少なかったが、そこから諦めずに、1人1人のお客様との対話を大切にし、お客様の楽しみたい気持ちを読み取り、応える工夫を重ねた。さらに、お客様からこのカフェの魅力や改善点を伺い、毎回運営に反映した。その結果、お客様からの紹介で来客数が増え、2年目からは毎回満席となった。この経験から困難な状況でも学び続け、諦めずに改善し続ける能力が身についたと考えた。
Resilience
コアメンバーとして特別支援学校スポーツ交流会プロジェクトを立ち上げました。私は副代表兼企画を担当し、身近な用具を使用し、簡単なルールで「だれもが」参加できるユニバーサルスポーツを考案しました。これまで、障害のある人との接点が少なく知識が乏しかったため、ボッチャ大会などの障害者スポーツのボランティアに積極的に参加しました。経験豊富な人や当事者の知見を集約し、新しいタイプのスポーツ「ペットボトルボウリング」を完成させました。実際に交流会で生徒からペットボトルボウリングが一番面白かったという声を聞いた時に、非常に達成感や完遂した満足感を得られた。
Innovation
離島の地域おこし協力隊として働いていく中で、高校生と地域住民の交流会を企画・運営した。イベントを企画することが初めてだったため、周囲にいる方々に相談しながら構成を考えて、無事に終えることができ、当初のイベントの目的も達成することができた。
Teamwork
立命館大学に入り、これまでの狭い地域ではなく、様々なバックグラウンドを持っ人々とかかわるようになったことが一番大きな原因です。その中でそれぞれの持っ背景の違いから根本の考え方が違うため、衝突が起きることやまとめるのに苦労することが多かったです。特に友人間でも、時間感覚や距離感などそれぞれの考え方の違いが顕著にあらわれました。そのため共通認識、当たり前を当たり前と思わず、しっかり文言にして伝えることの大切さを学びました。
Empathy
代表として大学の課外自主活動団体と地域の小学生をマッチングさせる団体を設立したこと。大学と地域の交流をさらに深めることを目標に、大学の事務局が年に一度開催していたイベントを団体化させた。そこで課題になったのは、イベントが年に一度しか行われておらず、地域の方々からの認知度が低いことだった。そこで、私は資金集めと地域交流の機会を増やすため市役所や事務局と積極的にコンタクトをとり、それを実行委員に持ち帰って実行委員がそれぞれ何をするべきか役割を分けて指示することを意識した。そうすることで実行委員の帰属意識も高まり新たな地域交流の機会や広報戦略を生み出すことが出来た。結果として、年間のイベント数を 5 つに増やし、メインイベントでは約 100 名の学生と約450 名の地域の方々を巻き込むことができた。1年を通して団体の立ち上げから運営ををあきらめずに行い、目標としていたメインイベントの規模拡大を達成できたことで、自発性が特に身についたと考える。
Initiative