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月面レゴリスの力学特性解明に向けたセンシング技術 ― ESEC研究者がオープンイノベーション推進シンポジウムで講演 ―

2026年3月6日、滋賀県主催の「令和7年度 第2回オープンイノベーション推進シンポジウム”大学との連携が生むイノベーション“」が開催され、立命館大学理工学部ロボティクス学科・立命館大学宇宙地球探査研究センター(以下ESEC)の小南貴雅助教が講演を行いました。本シンポジウムは、滋賀県が実施する研究業務委託「大学連携研究プロジェクト事業」の令和7年度成果報告の一環として開催されたものです。

講演では、近年の月面探査の動向と課題として、NASAのアルテミス計画や日本の小型月着陸実証機「SLIM」の成功を背景に、今後はローバーによる広域探査が進むと見られる中、月面を安全に走行できるかどうかが重要な課題になると述べられました。 その要因の一つとして、月面を覆う砂状物質「レゴリス」が取り上げられ低重力環境ではローバーが砂に埋没する「スタック」が発生する可能性があり、安全な走行のためにはレゴリスの地盤特性を把握することが重要であると説明されました。

こうした課題に対し、小南助教の研究として、月面レゴリスの物理特性を直接計測する技術が紹介されました。光学式触覚センサは、透明ゲルの変形をカメラで計測し、その変形量から接触時の力を算出する仕組みで、宇宙環境でも安定した計測が可能である点が特徴であると説明されました。開発されたセンサは約25mm×25mm×45mm、重量約35gと小型軽量で、三軸方向の力を計測し最大約5Nの力を検出できる性能を持つことが紹介されました。

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さらに、宇宙環境で使用する材料選定についても紹介され、透明ゲル材料についてはJAXA筑波宇宙センターでアウトガス測定試験が行われ、複数材料の比較評価の結果、シリコーン系の「αGEL」が有力な候補として挙げられたことが示されました。さらに、柔らかさと耐久性を両立する多層構造の受圧ゲルが提案されていることも紹介されました。

小南助教は、今後データ取得や性能改善を進め、ローバー車輪への応用などを通じて、月面探査における実用化を目指す方針を示しました。

参考リンク
滋賀県大学連携研究プロジェクト
https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kosodatekyouiku/daigakurenkei/343382.html

理工学部ロボティクス学科ESEC小南貴雅助教
理工学部ロボティクス学科
ESEC小南貴雅助教

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