有機材料化学研究室
Organic Materials Chemistry Lab
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研究室の特徴







1.風土
 
 一般に研究室での研究と言われると、教授や先輩から言われた実験を行っていくだけであると思い浮かべるかもしれませんが、私たちの研究室はそうではありません。 私たちの研究室では研究室配属時に各自にテーマが与えられます。関連するテーマの先輩はいますが、先輩と全く同じ研究をするわけではないので、基本的には自分で考えて、研究を進めていく必要があります。 しかし、研究で困った際には教授や先輩が優しく教えてくれるので安心してください!


2.組織
 
 私たちの研究室では内部・外部問わず連携を行っています。 研究室では行うことのできない測定を行う際には、他研究室や他大学、Spring-8や産総研などと協力して研究を進めています。 また、一部研究テーマにおいて、企業との共同研究も行っています。


3.技術
 
 一般的に液晶と言われると、ディスプレイをイメージしがちですが、液晶には他にも様々な用途があります。私たちの研究室では次世代社会に応用可能な新規材料の開発に向けて、日々研究に取り組んでいます!


研究概要

1.新規なER流体の開発

  電気粘性効果 (Electro-rheological:ER) 効果とは、外部電場の印加・除去により流体の粘度が可逆的に変化する現象のことを指し、その現象を示す流体をER流体と呼ぶ。 ER流体は、その発現機構の違いにより分散系ER流体と均一系ER流体とに分類される。 分散系ER流体とは、絶縁性分散媒に帯電していない微粒子を分散させた系であり、電場印加によって粘度が発現する。 せん断方向に対して垂直方向に電場を印加すると、粒子内部に分極が発生し、電場方向に配列した双極子間引力によって電極間に鎖状構造が形成され、粘度が増加する。 均一系ER流体は単一の成分 (あるいは状態) からなる系である。その中で、棒状分子からなる液晶は代表的な均一系ER流体として知られており、その発現機構は、液晶相の種類によって大きく異なる。 この系のER効果は、電場印加時のダイレクターの方向変化により粘度変化を引き起こしている。 本研究室では,新規なER流体の開発を目指し,溶解性、耐熱性、誘電率、難燃性といった様々な性質を有するシロキサン誘導体を基本骨格とする液晶物質やナノ粒子などの誘電体微粒子を用いた有機-無機複合体としてのER流体を作製し,それらのER効果を検討する。



2.アクチュエータ機能をもつ高分子誘電ゲル材料の開発と物性に関する研究

  アクチュエータとは動源力と機構部品を組み合わせた機械的な装置のことをいい、モーター、油空圧シリンダ、圧電素子、人工筋肉など「動き」を作り出すデバイスの総称である。 その中でも軽量で柔軟な材料が、光や電場などのエネルギーを受け、力学エネルギーに変換されて変形することで、アクチュエータとして機能する材料であるソフトアクチュエータが注目されており、昨今では高分子と可塑剤で構成されたゲルに電気的刺激を加えることで変形する、誘電ゲルアクチュエータの開発が進められている。 誘電ゲルアクチュエータは電場印加により可塑剤が分極し、高分子中を移動し収縮することから、股関節サポート用歩行アシストウェアなどの製品が開発され、実用化に向けて研究が続けられている。

現在扱われている誘電ゲルは高分子にポリ塩化ビニル(PVC)、可塑剤にアジピン酸ジブチル(DBA)を用いたものだけであり、他の高分子、または可塑剤に関しての研究はほとんど行われていない。 本研究では可塑剤の種類を変えて作製したPVCゲルの電気機械的特性(Electromechanical:EM特性)、電気粘性特性(Electrorheology:ER特性)それぞれの依存性の評価を行い、アクチュエータ機能への応用の可能性について検討する。



3.イオン液体の構造・物性に関する研究
イオン液体とは,カチオンおよびアニオンのみから構成され,かつ比較的低温(100 ℃以下)で液体状態を示す物質であり,蒸気圧が極めて低いなどの特徴をもつ.本研究では第四級アンモニウム塩型のイオン液体に注目し,その熱力学的な性質,ならびに物性と構造との相関について検討する.さらに,ダイマー型の新規なイオン液体の合成を試みる.


4.シアノスチルベンコアを有するディスコチック液晶の合成と光学特性の評価
 刺激応答性を示す液晶材料は、電場・磁場・光・温度などで分子の配向制御が可能である。本研究では、光応答性部位としてスチルベン骨格を導入したディスコティック液晶を合成し、その光照射にともなう構造変化が相転移に及ぼす影響などについて検討することを目的とした。さらに光異性化にともなう粘度変化を検討し、光粘性効果の力学材料への応用の可能性について検討する。


5.有機TFTおよびその配向材料の合成と物性に関する研究
 液晶ディスプレイをはじめとしたアクティブマトリックス型のディスプレイに欠くことのできない素子が薄膜トランジスタ,すなわちTFTである.現在はSi半導体を用いたTFTが主流であるが,今後,フレキシブルディスプレイの開発には柔軟性を有し,印刷による製造が可能な有機TFTの開発が不可欠である.本研究では,より高い電界効果移動度を示す新規な有機TFT材料と,その配向状態の制御を行うための新規材料の合成を行うとともに,その物性評価を行う.


6.両親媒性ブロックコポリマーの合成及びビーズポリマーの作製
 モノマーの繰り返し単位からなるポリマーは、身の回りの様々な製品に用いられており、必要不可欠な材料である。本研究室では、分子量を容易に制御可能な重合法を用いて、複数種のモノマーから構成されるブロックコポリマーの合成を行っている。また、それを用いて作製される材料についての評価を行っている。


7.らせん状芳香族共役ポリマーの合成・物性に関する研究
 キラル液晶を用いた不斉反応場を構築し、階層性が制御された巨視的配向やスパイラル状などの特異な構造や形態をもつ導電性・発光性・液晶性共役ポリマーを創成している。次代の電子・光機能ポリマー材料および外部摂動応答性ポリマー材料を開発するとともに、「共役ポリマーと液晶が融合した新しい学域の創成」を目指している。


ここに書いてあるテーマ以外にも様々な研究を行っています。詳細について聞きたい場合は是非一度、研究室に話を聞きに来てください!
*学生以外の方で詳細について聞きたい場合は、「お問い合わせ」より花崎先生に連絡をお願いします。