分子をつくる、世界を変える。




お知らせ

学術変革領域研究(A)「高密度共役」
2020年11月からスタートしました。

立命館グローバル・イノベーション研究機構(R-GIRO)第4期プロジェクト
2022年4月からスタートしました(2027年3月まで)。

インタビュー動画 が公開されました。




第50回 構造有機化学若手の会 夏の学校(2018年8月8日~10日)を
湯の山温泉で開催いたしました。

第15回ホスト-ゲスト・超分子化学シンポジウム(2017年6月3日~4日)を
立命館大学 BKCキャンパスで開催いたしました。

立命館グローバル・イノベーション研究機構(R-GIRO)プロジェクト
「有機生命資源の有効利用による電子・光機能材料の創製」
2017年4月からスタートしました。


キーワード

超分子(supramolecule)、ナノ材料、ソフトマテリアル(ゲル・液晶など)、ポリマー、
バイオインスパイアード・ケミストリー、π電子系(色素分子)、刺激応答性、ホスト・ゲスト、
分子マシン、有機半導体、次世代デバイス


研究概要

「新規π電子系の合成を基軸とした新概念・新機能の創出」

 生命活動は、強固な共有結合や弱い分子間相互作用を巧みに利用し、分子が集合体や高次構造を構築することによって実現されています。当研究室では、精密に設計された生体分子の構造や機能を「参考」にしながら、有機合成を駆使して既存にない分子や集合体を構築し、天然系を凌駕する物性・機能性の発現に挑戦しています。「未知の骨格を持つ分子は既存の分子にはない特徴を示す(はず)」という考えのもと、π電子系(π共役系)を基盤とした新たな機能性色素分子を合成し、「個々の分子にはないポテンシャルを有する(つまり1+1>2)」超分子集合体やナノスケール組織構造の形成・制御を行い、新機能・新概念の創出、さらに新しい化学の創成を目指して研究を行っています。


研究テーマ

 具体的には、●分子への「プログラミング(=骨格構造の設計、相互作用部位の導入)」による超分子集合体やナノ組織構造の構築(→機能性マテリアルへの展開)、●特定の金属イオンやアニオン(陰イオン)に対する親和性の評価・制御(→薬剤・センサーへの展開)、●分子・集合体の電子・光物性(どのような光を吸収し発光するか、どれだけ電気を流しやすいか、など)の評価・制御(→デバイスへの展開)に関して、各種分光法や表面測定を駆使して検証しています。


研究の進め方

 当研究室では原則的に一人一人に研究テーマが与えられ、教員とのディスカッションを通して目標を設定し、研究を行っています。また、研究に対する意識向上や、基礎知識を身につけることを目的とし、下記のセミナーをほぼ毎週行います。

 (a) 研究会:自分の実験結果を報告(各々1ヶ月に1回のペース)

 (b) 抄録会:最近のトピック論文を読んで簡単に解説

 (c) 雑誌会:自分の興味を持った研究に関連する論文を読んで解説(原則、半期に1回)

 研究成果は、国際会議(海外)や国内の学会に参加して発表し、さらに国際誌(論文)に投稿し、世界に発信します(海外の研究者に認識される!)。合成実験は時間がかかることもあり、また期待通りに進行しないケースもありますが、目的の分子を手に入れたときの感動は格別で、非常にクリエイティブな(サイエンティフィックかつ芸術的な)活動です。新しい(=誰も作ったことのない)分子の世界をぜひ切り拓いてみませんか。楽しい1年間が待っていると思います。




 本研究室では、新規骨格を有するπ(パイ)電子系を合成し、電子・光機能マテリアルへの展開を指向し、次元制御型集合体の創製に挑戦しています。次元制御型集合体は、溶液における集合体、ファイバーやシートなどの低次元性結晶、超分子ゲル、液晶などと定義していますが、これまでπ電子系にはたらく相互作用を巧みに利用し、既存システムにはみられない集合体の形成を実現してきました。集合体の形成戦略として、電荷を有する化学種(イオン)の利用に着目しました。相反する電荷種からなるイオンペアを集合体の構成ユニットとすることで、限定されたイオン種からも、それらの組み合わせによって多様な物質の創製が可能となります(たとえば、10種のカチオンと10種のアニオンから100種のイオンペアが理論上は形成されうる)。さらに、イオンペアからなる集合体(バルク材料や薄膜など)において、相反する(または同種の)イオンの相対配置を制御することができれば、ひとつの組み合わせからも多様な集合体・材料の創製が可能となります。
 以上の背景をふまえ、適切なπ電子系イオンを設計・合成し、相反するイオンの交互積層による電荷積層型集合体および同種イオンの積層による電荷種分離配置型集合体の寄与を有する集合体形態の形成を実現しました(図1)。π電子系イオンの規則配列を系統的に検討した研究例はこれまでになく、われわれが世界に先駆けて端緒を切り拓いたものです。合成化学と超分子化学を基礎として徹底的に追究したこれまでの研究の概略に関して、集合体の基本となるπ電子系の合成を含めて紹介します。


図1 π電子系イオンによって形成される集合化形態:π電子系イオンはπ電子系への電荷の導入またはπ電子系のイオン会合によって形成される

最近の総説:
Chem. Commun. 2013, 49, 4085 (Feature Article in the ‘Emerging Investigators 2013’ themed issue)
Chem. Commun. 2013, 49, 4100 (Feature Article in the ‘Emerging Investigators 2013’ themed issue)
Pure Appl. Chem. 2013, 85, 1967 (An invited review in the special issue for ICPOC 21)
Bull. Chem. Soc. Jpn. 2013, 86, 1359 (An invited review by a winner of CSJ Award for Young Chemists in 2009/Selected as a Backcover)
有機合成化学協会誌 2016, 74, 243
Chem. Commun. 2017, 53, 2894 (An invited review)
Bull. Chem. Soc. Jpn. 2018, 91, 420 (An invited review as Vol.90 Commemorative Accounts)

最近の書籍章分担:
Intelligent Stimuli Responsive Materials: Well-defined Nanostructures to Applications; Li, Q. Ed.; Wiley, 2013, Ch. 4, 115
Nanoscience with Liquid Crystals: From Self-Organized Nanostructures to Applications; Li, Q. Ed.; Springer, 2014, Ch. 9, 281
Synergy in Supramolecular Chemistry; Nabeshima, T. Ed.; CRC Press, 2014, Ch. 4, 57
自己組織化マテリアルのフロンティア(エキゾチック自己組織化材料研究グループ 編)フロンティア出版, 2015, Ch. 3-2, 126
Conjugated Objects: Developments, Synthesis, and Application; Nagai, A.; Takagi, K. Eds.; Pan Stanford, 2017, Ch. 13, 349
Functional Organic and Hybrid Nanostructured Materials: Fabrication, Properties, and Applications; Li, Q. Ed.; Wiley-VCH, 2018, Ch. 5, 165
Designed Molecular Space in Material Science and Catalysis; Shirakawa, S. Ed.; Springer, 2018, Ch. 1, 1


I イオン応答性π電子系の空間制御

 π電子系イオン、とくにπ電子系アニオン(電子過剰系)の反応性は高く、集合体の構成ユニットとしての利用は容易ではない。そのため、アニオンと相互作用(会合)能を有するπ電子系のアニオン会合体を疑似的なπ電子系アニオンとして利用することを検討した。実際に2個のピロール環を1,3-ジケトンユニットで架橋した分子設計に基づき、アニオンに対して高い会合能を発現するπ電子系(レセプター)を新たに合成した(図2a)。[1] 合成したπ電子系は、可視光領域に吸収・発光を示すことから、電子・光機能性への展開が可能である。種々の周辺置換基導入方法を開拓し、[2] 共有結合・金属架橋多量体によるアニオン駆動型らせん構造を形成した。[3] また、キラルな対カチオンとのイオンペア形成によるらせんの不斉誘起を実現し、高い異方性因子を有する円二色性(CD)および円偏光発光(CPL)の発現を見出した(図2b上)。[4] さらに、ホウ素周辺修飾[5]を基盤として不斉誘起ユニットを導入し、化学刺激(アニオン)応答によるCPLをはじめて実現した(図2b下)。[6] レセプターへのアニオン部位の導入による自己識別型(self-sorting)会合体の形成も明らかにした。[7] 最近では、クライゼン型反応を用いてジケトン骨格へのヘテロ芳香環の導入に成功し、多様なアニオン会合形態を発現することを見出した。[8]


図2 ピロール環からなるアニオン応答性π電子系の(a)アニオン会合形態および(b)キラリティ誘起と円偏光発光(CPL)発現

[1] Chem. Eur. J. 2005, 11, 5661
[2] J. Org. Chem. 2006, 71, 2389; Inorg. Chem. 2006, 45, 8205; J. Org. Chem. 2007, 72, 2612; Org. Biomol. Chem. 2008, 433; Org. Biomol. Chem. 2008, 6, 3091; Org. Lett. 2008, 10, 3179; Chem. Eur. J. 2010, 16, 10994
[3] Chem. Eur. J. 2011, 17, 1485; Chem. Commun. 2011, 47, 9342; Chem. Commun. 2013, 49, 5310; Org. Lett. 2013, 15, 6006
[4] Angew. Chem. Int. Ed. 2012, 51, 7967
[5] Chem. Commun. 2008, 4285; Org. Biomol. Chem. 2010, 8, 4308
[6] J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 9266
[7] Chem. Commun. 2011, 47, 8241
[8] Chem. Asian J. 2019, 14, 1777

 合成したアニオン応答性π電子系の構成ユニットの双極子の配向(図3左下)に起因して、アニオン会合にピロール反転が要求される(図2a)。環構造への導入を行うことで自由エネルギーの損失を回避し、きわめて高いアニオン会合能の付与に成功した(図3)。[9] またアミドユニットを導入した非環状誘導体においても高いアニオン会合能が示され、会合過程において特徴的な動的挙動を発現した。[10] レセプターのアニオン会合能およびピロール反転挙動を活かし、水素結合供与型有機触媒へと応用できることも明らかにした。[11] ここでπ電子系の構成ユニットであるピロールの物性に注目し、その分極を利用した液晶中間相を発現するπ電子系の開発を実現した。[12] またパーフルオロアルキル基の導入によってピロールの反応性を抑制し、NH部位の分極によるアニオン会合挙動を見出した。[13] 最近では、ピロール環にカチオンユニットとアニオンユニットを連結した双性イオン型π電子系を合成し、アニオン会合による自己会合2量化を実現することを明らかにした。[14] 一方、マクロサイクル内部の隣接ピロールN部位に位置選択的・立体選択的にアルキル基を導入した、不斉誘起された環状π電子系(ポルフィリン・コロール)を合成し、構造決定とキラル光学特性の発現に成功した。[15]


図3 双極子に起因するピロール環の配向とレセプターの環状構造への組み込みによる会合能の向上

[9] Org. Lett. 2018, 20, 3268
[10] Chem. Eur. J. 2017, 23, 11357
[11] Org. Lett. 2018, 20, 2853
[12] Chem. Commun. 2016, 52, 7157; Chem. Lett. 2017, 46, 1269
[13] Chem. Commun. 2016, 52, 7364
[14] Chem. Eur. J. 2018, 24, 16176
[15] Org. Lett. 2016, 18, 3006


II イオン応答性π電子系の組織化

 アニオン応答性π電子系が周辺修飾等によって次元制御型集合体を形成することを明らかにし、超分子ゲル図4a[16,17]サーモトロピック液晶図4b)、[18] 両親媒性(水溶性)組織構造(ベシクル・ミセルなど)[19]の構築を報告した。超分子ゲルへのアニオンの立体型カチオン塩添加により、イオンペア(会合体−カチオン)が組織構造を形成しない(溶解する)ことを見出した(図4a)。[16]


図4 アニオン応答性π電子系からなる組織構造:(a)アニオン応答性超分子ゲル;(b)サーモトロピック液晶

[16] J. Am. Chem. Soc. 2007, 129, 13661
[17] Chem. Commun. 2011, 47, 7620; J. Org. Chem. 2011, 76, 5177
[18] Chem. Commun. 2010, 46, 4559; Chem. Asian J. 2013, 8, 2088; Chem. Mater. 2013, 25, 2656; Chem. Asian J. 2016, 11, 2025; Chem. Commun. 2017, 53, 3834
[19] Chem. Eur. J. 2009, 15, 3706; Phys. Chem. Chem. Phys. 2011, 13, 3843


III π電子系−イオン会合体からなる組織構造の創製

 π電子系−アニオン会合体とπ電子系カチオンのイオンペアが、超分子ゲルやサーモトロピック液晶を形成することを見出した。放射光XRD(SPring-8)から、会合体と対カチオンからなる電荷積層型集合体の構築が示唆された(図5a左)。[20] また、立体型カチオンやカチオン性アニオン会合体とのイオンペアによっても、積層型集合体からなる液晶中間相を与えた。[21] ソフトマテリアル形成能(次元制御性)を有さないπ電子系と修飾アニオンの会合によって、中間相を発現することも見出した。[22] さらに、アニオン応答性π電子系やカチオン種の選択によって電荷種分離配置型の寄与を有する組織構造が形成され、高効率の電荷(電子・ホール)輸送能を示すことを明らかにした(図5a右)。[23] 適切な周辺修飾(芳香環エチニル基の導入)により、協同的インターロック[2+1]型アニオン会合体の形成と、結晶状態における完全電荷種分離配置型集合体の構築も実現した(図5b)。[24]


図5 π電子系−アニオン会合体からなる組織構造:(a)電荷積層型集合体(超分子ゲル・液晶);(b)電荷種分離配置型集合体(液晶);(c)完全電荷種分離配置型集合体(結晶構造)

[20] Angew. Chem. Int. Ed. 2010, 49, 10079; Chem. Commun. 2012, 48, 2301; Chem. Commun. 2013, 49, 2506; Chem. Eur. J. 2013, 19, 16263
[21] Chem. Eur. J. 2012, 18, 3460; J. Am. Chem. Soc. 2013, 135, 14794
[22] J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 8896
[23] Chem. Eur. J. 2012, 18, 7016; J. Am. Chem. Soc. 2013, 135, 1284; Chem. Commun. 2014, 50, 10615
[24] Chem. Eur. J. 2016, 22, 626; J. Photochem. Photobiol. A 2016, 331, 215; J. Org. Chem. 2016, 81, 8530; Chem. Eur. J. 2017, 23, 4160


IV 真のπ電子系イオンからなる組織構造の創製

 非会合型π電子系アニオンを適切に設計・合成できれば、集合体形成の初期過程においてアニオンの会合・解離を考慮する必要がないため、魅力的な構成ユニットとなる。π電子系に導入した酸ユニットの脱プロトン化および隣接置換基との水素結合によってπ電子系アニオンを形成し、多様な電荷積層型集合体を形成することを明らかにした(図6a)。[25] さらに、電子求引性置換基を有するシクロペンタジエニルアニオンからなるイオンペア集合体を形成し、液晶中間相において電荷種分離配置型の寄与が観測された(図6b)。[26]


図6(a)脱プロトン化されたアニオンの安定化によるπ電子系アニオンと電荷積層型集合体(結晶構造・液晶);(b)π電子系アニオンを構成ユニットとした電荷種分離配置集合体(結晶構造・液晶)

[25] Chem. Commun. 2015, 51, 17572; Chem. Asian J. 2016, 11, 3423; Dalton Trans. 2017, 46, 8924; J. Org. Chem. 2017, 82, 11166; Chem. Eur. J. 2018, 24, 8910
[26] Chem. Eur. J. 2016, 22, 7843


V 新たなπ電子系イオンペアの組織化

 π電子系平面状イオンペアを基盤とし、固液界面での2次元パターンや超分子ポリマー、液晶(Cub相)への展開も実現した(図7a)。[27] 一方、適切なイオン部位を有する双性イオンを基盤とした相反するイオン間の動的共有結合形成によるオリゴマーやポリマーの形成を見出した(図7b)。[28] さらに、光応答性ユニット(アゾベンゼン)を組み込んだアニオン(カルボキシレート)からなるイオンペア集合体を創製し、薄膜状態において結晶−結晶間(いずれもラメラ構造)での光照射による可逆的スイッチングに成功し、外部刺激によるイオンの配列制御の可能性が提示できた(図7c)。[29] アニオン部位をπ電子系で会合することで、光応答性が抑制されることも見出した。[30]


図7(a)π電子系平面状イオンペア組織構造(2Dパターン・液晶・超分子ポリマー);(b)双性イオンを基盤とした動的共有結合性オリゴマー・ポリマーの形成;(c)光応答性イオンの異性化による結晶−結晶転移の光照射によるスイッチング

[27] Chem. Commun. 2007, 1136; Chem. Eur. J. 2013, 19, 9224; Chem. Eur. J. 2015, 21, 9520
[28] Chem. Eur. J. 2013, 19, 5956
[29] Chem. Eur. J. 2017, 23, 9244
[30] Chem. Lett. 2018, 47, 404


VI 非環状型π電子系の金属イオン架橋による集合体の構築

 イオンペア集合体の構成ユニットになりうる非環状型π電子系と金属イオンの相互作用を利用した、電子・光機能性集合体の創製を行った。種々の架橋ユニットで連結されたπ電子系配位子の共有結合2量体を合成し、ZnII架橋配位ポリマーからなる発光性コロイド粒子などの金属イオン駆動型ソフトマテリアルの形成を見出した(図8a)。[31] さらに、立体異性体間で相互変換する環状錯体[32]や、2重らせん部位での伸縮挙動を示すZnII 4核錯体(図8b)、[33] 環境に依存した金属架橋2重らせんモードの発現(図8c)、[34] 半導体物性を示すポリゴン型金属錯化集合体[35]など、多様なπ電子系集合体[36]へと展開した。


図8(a)金属配位ポリマーを基盤としたサブマイクロメータースケール組織構造;(b)単分散型金属配位集合体(ZnII 4核2量体錯体);(c)架橋による2重らせん錯体における安定モードの発現

[31] J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 10024
[32] Chem. Eur. J. 2007, 13, 7900
[33] Chem. Eur. J. 2010, 16, 11653
[34] Chem. Sci. 2013, 4, 1204; Chem. Lett. 2014, 43, 1078
[35] Chem. Eur. J. 2013, 19, 11676
[36] J. Porphyrins Phthalocyanines 2013, 17, 86; Dalton Trans. 2013, 42, 12885


 上記は論文発表済の内容に限定して紹介していますが、[37] 継続して新たな分子の合成を基盤とした、既存の分子・集合体システムを凌駕した新機能・新概念の創成に挑戦しています。
 論文掲載決定後に最新の研究成果は追加します!

[37] Chem. Lett. 2005, 34, 1150; Chem. Asian J. 2007, 2, 350; Chem. Commun. 2007, 2726; J. Nanosci. Nanotechnol. 2009, 9, 240; Synth. Met. 2009, 159, 792; Chem. Lett. 2009, 38, 208; Eur. J. Org. Chem. 2010, 1469; Supramol. Chem. 2011, 23, 209; Org. Biomol. Chem. 2012, 10, 2603; Org. Biomol. Chem. 2016, 14, 8530