学部学生の方へ

 薬理学研究室では、われわれの脳を構成する神経細胞、神経細胞が精緻に結びつき合って編み上げられた神経回路、さらにそのかなめであるシナプスを対象とした研究テーマを設定します。第一に、これら神経回路やシナプスの構造と機能についての基礎的な側面を分子生物学的に解析します。第二に、シナプスの構造や機能が、神経活動によってダイナミックに変化するメカニズムを探求することで、われわれの生命活動や高度な精神活動を支える生命のしくみにアプローチします。第三に、シナプスの構造やシナプス関連分子のダイナミズムが、病態とその治療にどのように関わっているのかを明らかにすることを目指します。
 炎症性腸疾患に対する薬物治療の検討も開始しました。

研究活動の中で以下のような技術を学べます

遺伝子工学:通常のDNAとRNA の取り扱い。
動物実験:遺伝子組換マウスの取り扱いとそれらを用いた行動薬理学。
生化学:Western blotなどの一般的な手法に加えて、超遠心機による分画なども交えた、やや専門的な手法もカバーします。
免疫組織化学
細胞培養:通常のcell lineの取り扱い。
神経細胞の初代培養:培養皿の中でシナプスを形成させ、神経ネットワークを作らせることが可能。遺伝子導入、イメージング、形態学、生化学などを駆使して独自の実験系を展開できます *。
イメージング:神経細胞、特にシナプスの形態と分子に特化したタイムラプスイメージングをもとに、微小構造計測のためのdeconvolution技術などを駆使(研究室内)。構造化照明法など超解像顕微鏡の導入実績**もあります(共同研究施設)。

* 以下の論文をご参照下さい:
Neuron. 25:93-107 (2000).
J Cell Biol. 167:961-72 (2004).
Neuron. 56:456-71 (2007).

**J Neurochem. 128:246-55 (2014).