「タイ放浪記 −旅行では味わえないタイの魅力(?)−」
戻る

第3回 お金・学食編


1.お金(バーツ・B)

 タイではバーツを使う。1万円を両替すると、約3,600B(8月1日、2001年)を手にする。私は、バーツを日本円に換算するのに、大体の目安として、[バーツ・B]x3=[日本円]で計算していた。

 ただ、現実に現地で生活してみると、単純に円に比較して考えるだけでは、バーツの持つ意味を理解できない。言い換えると、100Bは約300円。日本では、300円で昼飯も食えない。ところが、タイでの100Bは結構価値がある。レストランで、2食は食べられるのだ。学食だったら、5回も食事ができる。100Bは300円だが、1000円程度の価値はあるようだ。


2.学食

 長期に一人で外国に滞在すると、食事が大変だ。高級ホテルなら英語が通じるが、大学周辺にあるレストランではまず、英語は通用しない。しかし、身振り手振りで何とかなるのが現実だ。

 だけど、数字くらいはタイ語で聞き取れるようになる必要があることはつくづく感じた。20はジーシップ、35はサームシップハーという具合だ。数字を覚えるだけで、どれだけストレスを感じなくなるか、これは現地で体験するのが一番だ。

 とはいえ、タイで感じたのは、どこでも、何時でも、店が開いていて、食べるのにはさほど苦労しないお国柄であるということだ。


 それではまず、学食から話しをしよう。

 日本の学食を想像したらだめである。オープンエアーの屋台を想像したらよいかもしれない。それぞれのエリアを仕切って、外部の人が毎日食事を提供するシステムだ。よく言えばバイキング形式である。あさは、7時から開いているから驚きである。ただし、夕食は提供していない。

 一品10B(30円)と安い。飲み物は、栓つきのコーラが8B、栓なしのジュース(いわゆるタイ式ジュース)は4B。学生は、大体、20B以下で食事をしているのが現状である。

 メニューは、大きく分けると、麺類、ご飯類、パン類と分けられる。麺は日本のラーメンのような麺もあるが、極太の餃子のような麺や、そーめんのような細い麺もある。味付けは、悪くない。日本人好みだ。

 ご飯類は、ご飯(タイ米)の上に、いろいろと乗せて出される、いわゆる典型的なタイご飯である。“ぶっかけ飯”といったらわかりやすいかもしれない。私は、どちらかというと、ご飯類の方が好きであった。

 パンは、はっきり言って日本の方がおいしい。だけど、タイ飯に飽きたときはこれに限る。

 最初はよくわからない注文の仕方であるが、慣れてくると簡単である。

 栓つきのコーラをいつも頼んでいると、1週間もすると、おばちゃんが私を覚えてくれて(タイ語が喋れない変な外人と思われているのかも)、何も言わなくても必ず栓付のコーラを出してくれるようになった。とてもフレンドリーだ。しかも、にっこりと笑ってくれるから嬉しいものであった。身振り手振りや表情だけでも何とか意思疎通がはかれるものであることを再認識した。

 学食や普通の食堂では、プラスチックの食器とアルミのスプーンとフォークである。時々力を入れすぎたためか、スプーンやフォークが曲がってしまい戸惑ったのも、タイならではの体験かもしれない。

 8月9月、タイではちょうど犬の繁殖期だ。犬を大切にするタイでは、至る所に犬が徘徊している。決して人間にほえたり噛みついたりしないが、あまりしっぽを振って近づいてくる犬にはお目にかかれなかった。もちろん、学食の周辺にも多くの犬がおり、帰国が近づいた頃には、小さな犬が食堂内を走り回っていた。




キャンパスのベンチで憩う犬

第4回へ
Last Up Date: 2002.12.1