「タイ放浪記 −旅行では味わえないタイの魅力(?)−」
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第6回

タイの交通事情編

 タイの交通事情は、日本とは随分ちがう。首都バンコクは、市内を巡る高架電車が開通し、タクシーも日本に近いものがある。ただし、これはバンコクだけの話しで、いったんバンコクを後にすると、交通事情は激変する。

 タイ第2の都市チェンマイも例外ではない。いわゆるタクシーは走っていない。路線バスもない。

 公共の乗り物といえば、レッドバス(赤いトラック)である。トラックを改造して後ろに8人〜10人を乗せて市内を駆け巡る、いわば乗合バスだ。

 ただ、これに乗るのが難しい。行き先をタイ語で言わなければならない。

そのうち、私は行き先を現地の人に書いてもらって、運転手さんにその紙を見せて何とか意思疎通は図れるようになった。しかし、次は料金の交渉が待っている。これまた厄介であるが、次第に慣れて来るから不思議であった。大体、市内一周で10Bである。



 トゥクトゥクタクシーというものもある。バイクに荷台をくっ付けた三輪車だ。2人乗れる。ただ、チェンマイには市内の中心部か、高級ホテルの前にしかいないのが実情で、ほとんど乗る機会がなかった。これも料金交渉制で、距離にもよるが大体50〜100Bである。トゥクトゥクはやかましいのと大雨の時は濡れるのが難点だ。



トックトックタクシーから



 さて、一般の人の交通手段に目を移してみよう。バイク(いわゆるカブ)と車がほとんどである。自転車はほとんど見かけない。多分、暑いためである。

 バイクの数はもの凄い!やかましいくらい走っている。しかも、2人乗り、3人乗りでだ。滞在中、ドライバーの前に子供を2人乗せ、後ろには子供を背負った奥さんを乗せた、5人乗車のバイクを見たが、ほほえましくもあり、異国情緒を感じたものだ。もちろんヘルメットなんてかむっていない(ただし、法律ではヘルメットの着用は義務付けられているそうだ)。タイは、車もそうであるが、皆爆走していく。正直、事故が起こる確率が高いと感じた。



 車に目を移してみよう。まず気づくのが、ほとんど日本車であることである。トヨタ車、ホンダ車が多い。ほとんがマニュアル車であり、ピックアップトラックもよく走っている。

 次に、旧式の車が多いということに気づく。また、日本のように綺麗に掃除している車が少ないのもタイ独特かもしれない。多分、雨が多く、また道路が悪いため、すぐに汚れてしまうのだろう。

 古い車といっても、その古さは半端ではない。学生諸君は恐らく見たことがない車なのだ。例えば、トヨタのコロナ。今のコロナではない。写真は1965年製のトヨタコロナだ。なんと35年以上前の車だ。
 私が小学生の時よく目にしたカローラも健在だった。サニークーペ1000やいすゞべレットも走っているから、もう道路が車の博物館である。



トヨタコロナ(1965年製)
キャンパス内で見たもので、毎日ちゃんと動いていた。
ちなみに、私が訪問した先生は、黄色のサニークーペ(1971年製)に乗っていた。

 特に、トヨタの古い車が多く走っているのには驚かされる。耐久性が高いのかもしれない。逆に、ホンダの古い車はあまり見かけない。巷で言う、ホンダの耐久性のなさは真実なのかもしれない(タイの車の平均寿命は20年ということだ。日本の7,8年ということを考えると日本はもっと車を大切にしなければならないのかもしれない。)。


 タイでは、車もバイクも爆走する。特に、運転手付の車に乗ると、その速いこと速いこと。クラクションを鳴らしながら追い越していくミニバンに乗っていると、眠気も吹っ飛んでしまう。タイでの運転はくれぐれも気をつけて欲しい。


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Last Up Date: 2002.7.22