多くの学生が普段何気なく通る、BKCのメインストリート、キャンパスプロムナード。その大通りに「レクセ ル」という建物があることを知っていますか?何とその建物の中には、立命館大学が世界に誇る、オンリーワンの装置があるのです!!
今回はレクセルの中でも21世紀COE放射光生命科学研究センターの研究活動を中心に紹介します。

その装置の名は“みらくる”。山田廣成理工学部教授が発明した世界で唯一の装置がレクセル内部に設置され、日 々の研究のために使用されています。この“みらくる”は「放射光装置」であり、X線、遠赤外線、EUV光と言われる様々な光を発生させ、その光を用いて、 物質構造研究、生命科学、医学利用、非破壊検査、X線顕微鏡など様々な研究に利用することが出来ます。

同じような放射光装置は日本に何台か存在するのですが、西播磨科学公園都市(兵庫県)にあるSpring-8 という装置は直径500メートル、周囲1.3キロメートルという巨大なもので2000億円という多額の費用をかけて作られました。一方、“みらくる”の大 きさは直径わずか60センチ!しかもわずか2億円という建造費に加え、従来の放射光装置と比べてより強くて高精度な放射光を発生させることができる、画期 的な装置です。

 

この“みらくる”は21世紀の社会において大きな貢献が出来ると考えられています。高精度であるため、例えば 原子力発電所の部品の非破壊検査に“みらくる”を用いて、今までの技術では出来なかった1ミクロンの亀裂を発見し、原子力発電所の事故を未然に防ぐことが 可能になったり、従来のレントゲンでは見つけることが出来なかった1ミリの癌腫瘍を発見可能とします。また、常識破りに驚異的な小型サイズなので持ち運び 可能となり、高速道路の橋げたの老朽化やビルの亀裂などを、現地で調査することができるようになります。このような特性が世界から高く評価され、EU研究 機構が“みらくる”をEU諸国に導入することを目的に支援する事を決定し、山田教授との共同研究・連携活動を進めているそうです。

[リンク]光量子発生科学研究室
[リンク]株式会社光子発生技術研究所

 

 
取材・文石 塚貴也(法学部4回生)