主に理工学部・情報理工学部の学部生や大学院生を対象とした実験室が入っています。発音だけ聞くと「EXCEL」と思いがちですが、実は“Engineering Experiment Labo."の略なのです。エクセル1には電子システム系、物理などが、エクセル2には応用化学系等の分野が入っています。エクセル3には機械システム系、環境系等の分野が入り、日夜実験・研究活動が行われています。
今回はその中でもエクセル1にスポットを当て、理工学部の分野に関しては城戸義明先生へ、情報理工学部の分野に関しては原田史子先生にインタビュー&内部の取材を行いました!

理工学部、情報理工学部ではエクセルをどのように使用されているのか、先生にお話を伺いました。
 
エクセル1 理工学部分野
城戸義明先生
(理工学部 数学物理系・物理科学科 教授)
   
エクセル1 情報理工学部分野
原田史子先生
(情報理工学部 情報システム学科 助教)

 

 

では、実際にエクセル1にはどんな実験装置があるのでしょうか?
実際にエクセルに使用して研究をしている大学院理工学研究科博士後期課程総合理工学専攻の高岸洋一さんにエクセルにある特徴的な装置を紹介していただきました。

 
   

チャンバー
この装置はチャンバーといい、真空(物質が全く存在しない空間の状態)を作り出すことができます。チャンバーとは直訳すると「小部屋」を意味し、大気圧未満の環境を作り出すための容器の役割を果たします。この技術を利用して「薄膜」とよばれるものが作られています。薄膜は車の塗装や金属メッキ、レンズなど幅広くモノ作りに利用されるものなんですよ。現在、より高品質な薄膜を作る研究がエクセルで行われています。

 
 
   

原子間力顕微鏡
この装置は原子間力顕微鏡といいます。文字通り、分析や検査に用いるサンプルと探針との原子間にはたらく力を検出して画像を得ることができます。箱状に見えるものの中には高度な顕微鏡が入っています。対象を溶液に浸すことで膜が形成され、針を膜の表面上で走査して、針が感じる原子間力を電気信号に変える事で表面の形状を観察します。この電気信号で作られた測定像をAFM像といい、普通には目に見えない物質の表面構造を原子レベルで観察できます。
大気中、真空中など多様な環境でも測定できます。

 
 
   

今回案内してくださった高岸洋一さんにもエクセルに関する印象を伺いました

エクセル内には高度な装置があり、それゆえ小さな地震など少しの振動でも研究に支障をきたすという難点があります。しかし、それらの研究設備によって専門的な研究が進められるので、理工系の学生や院生にとっては実験に集中して取り組める環境だと思います。また同じエクセルの棟内でも、みんなが同じ分野の研究をしているわけではありません。個人個人が違うテーマに取り組んでいるので、他分野とのディスカッションもでき、刺激のある環境だといえますね。

 

 

取材・文岡本純一(経営学部4回生)