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吉江知子(よしえ ともこ) 
文学部4回生
体育会 スキー部
吉江知子
4月1日〜5日まで長野県志賀高原スキー場西館山コースにおいて、
FIS(国際スキー連盟)公認第14回全日本学生アルペンスプリング大会が行われ、
吉江知子さん(文学部4回生)が学生日本一の座に輝いた。
この大会は、国際スキー連盟の定める一定のポイントをクリアした選手しか出場できないハイレベルな大会である。
今回は、左足前十字靭帯断裂という選手生命にかかわる大怪我に直面しながらも、
それを見事乗り越え、学生の頂点に立った吉江さんにお話を伺った。
Q

全日本学生大会制覇、おめでとうございます。この結果に到達するまで、とても大きな試練があったことと思います。怪我を乗り越えて、結果を残せたことについてどう感じていますか?

吉江

大きなタイトルは高校3年時に出場した全日本ジュニア選手権以来だったので、とてもうれしく思います。今回、怪我を乗り越えて結果を出せたということは、大きな自信になりました。まさか選手生命が危ぶまれるような怪我と向き合うことになると思っていなかったので、怪我をしたときはショックでした。しかし、いざ怪我と向き合ってみると、「早くもう一度雪の上に立ちたい!」という思いがどんどん強くなってきましたね。

最初はドクターから「1年間は大会に復帰するのは無理」と言われていたのですが、懸命にリハビリに取り組んだ結果、5ヵ月で雪上に立てるほどまでに回復することができました。それを支えたのは3歳からスキーに親しむ中で培ってきた「スキーが大好き」という気持ちだと思います。スキーはとても精神力の大切なスポーツです。強い気持ちを持ってスキーに取り組んできたことが、怪我のリハビリでも活かされたのだと感じています。

リハビリ当初は苦労の連続でした。手術後は車イスの生活の時期もありましたし、松葉杖を使っていたこともあります。なかなか歩くことができず、足を曲げることもできなかったので、とても不安な日々を送っていました。リハビリ後、12月にスキー部の合宿で、久しぶりに雪の上に立てたときはとてもうれしかったですね。厳しいリハビリで復帰を目指しているときには、多くの人の温かさに触れることができ、家族やスキー部の仲間など、自分は多くの人に支えられて生きているのだなと改めて強く感じました。

怪我から復帰して滑れるようになりましたが、3回生の冬はポイントの不足から、国内最高峰である全日本選手権大会やジャパンシリーズなどの上位大会に出場できなかったことはとても辛かったです。しかし、復帰したシーズンの次の年こそが勝負の年だと考えていたので、焦らずしっかりオフシーズンに今までの大学生活のなかで最も積極的にトレーニングに励みました。シーズン前にしっかりトレーニングを積んだことで、3月に開催された北海道選手権では入賞まで後一歩という結果を残すことができました。この大会で好成績を残せたことで、その後につながる勢いがついたのだと思います。また、滑っているといつもの自分とは違う感覚で滑れるようになり、リハビリ後のトレーニングが実を結んできたなという実感もありました。そして、その後の全日本学生アルペンスプリング大会で第1戦・第2戦ともに優勝を飾ることがで、怪我から2年目のシーズンで大きな成果を出すことができたことはとてもうれしかったです。

Q

これからの目標を教えてください。

吉江

学生の大会では、インカレでの優勝を狙っていきたいです。それ以外にもジャパンシリーズという国内最高峰の大会があるので、そこでも良い結果を残したいです。前年のシーズンはポイント不足から大きな大会に出場できなかったので、その悔しさを今年はぶつけたいと思います。

怪我をしてから、私自身は多くの人に支えられて競技しているという思いが強くなったので、スキーで結果を残すことでみなさんに恩返しができればと感じます。今までの結果に満足することなく、さらに上を目指してこれからもがんばっていきます。

取材・文辻 健太郎(経済学部4回生)
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