まず障害者シンクロを簡単に説明します。障害者シンクロは一般的なシンクロとは異なり、演技を得点化しないところが特徴だと言えると思います。また、障害の重度によるクラス分けもなく、性別・年齢も関係ありません。演技の体系はソロ、デュエット、チームとあり、中には20人を越えるチーム演技もありました。参加者の年齢も10歳以下から80代までと非常に幅広いです。学生ボランティアの仕事は、控え室で選手やチームのそばにいて会場まで誘導する「チーム担当」、召集をしたり会場での誘導を行う「進行担当」、また「音響担当」や「アナウンス担当」、車椅子の方の入水をお手伝いする「介助担当」などがあり、私は「進行」を担当しました。
ボランティアとして参加してみて良かったと感じることは、スポーツ観が広がったことです。障害者スポーツの難しさを知ることができ、真剣に演技をする参加者と交流が持てたこともとても有意義でした。しかし一方で、大変なこともありました。例えば、障害者の方への接し方です。まず、自閉症などの心の障害を持つ人に対しては言葉を選び、接する必要があります。適切な介助を行うために、半身麻痺などの体の障害を持つ人に対しては障害がある部分をはっきり把握しておく必要がありました。
また、自由に身体を動かすことができない障害者の方にとっては、水に入ること自体が恐怖です。しかし「うまくなりたい」という向上心を持ち、難しい技でも果敢にチャレンジしている姿を見て、「支えあい」の必要性を感じました。演技者同士はお互いの障害をフォローし、助け合いながら演技をしています。私たちボランティアスタッフは、演技者ができないことをしっかりとサポートすることが大切なのだということを学びました。 |